朝食におけるキーワード「セカンドミール効果」
朝食においては「セカンドミール効果」という概念も知っておくべきと小林さんはいいます。「セカンドミール効果」とはどういうものなのでしょうか。
「トロント大学のジェンキンス博士が発表した、『最初にとった食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)のあとの血糖値にも影響を及ぼす』というものです。ファーストミールで血糖値の急上昇を招かなければ、セカンドミール後の血糖値上昇が抑えられる。つまり、朝の食事内容によって、1日の血糖値を安定させることができるということです」
ファーストミールとして最適なのは、糖質の上がり方がゆるやかなGI値の低い食品です。GI値とはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、その食品を食べた直後にどれだけ血糖値が上がるのかを、ブドウ糖を基準(=100)として相対的な数値で表したものです。
「朝食の定番であるパンや白米などはGI値が高いといわれています。基本的に精製されていない色のついた炭水化物は、糖の消化吸収をゆるやかにしてくれる食物繊維を多く含むため、血糖値の急上昇が抑えられるといわれています。お米なら白米よりも茶色の玄米、白い食パンより茶色のライ麦パンや全粒粉のパンのほうがGI値は低くなります。
大豆製品や野菜類(ただし、じゃがいもはGI値が高め)もGI値が低いといわれているものです。また、基本的に砂糖を使っているものは、GI値が高くなると考えられるので、甘い菓子パンなどで朝食を済ませるのは、避けたほうがよいでしょう」
「やせる朝食」の3つの条件
小林さんは、ダイエットの観点から次の3つの条件を満たした朝食をすすめています。
・GI値がなるべく低いもの
・できるだけ簡単に用意できるもの
・腸内環境が改善される成分が入っているもの
そして、これらを満たす「やせる朝食」として、小林さんがすすめているのが「バナナ」です。
「まず、甘いので糖質が多く、血糖値が急激に上がりそうなイメージがありますが、バナナはGI値が低い食品です。そして、2つ目の条件、できるだけ簡単に用意できるものという条件に、一番マッチするのが、バナナではないでしょうか」