バナナの食物繊維が腸内環境の改善に役立つ
バナナであればカットや加熱などの調理が不要で、皮をむけばすぐに食べられます。持ち運びもしやすいうえ、出先でもコンビニなどで手に入れることができるため、忙しい人でも続けやすそうですね。
3点目の「腸内環境が改善される成分が入っているもの」についても、バナナは食物繊維が含まれている点がおすすめなのだそう。食物繊維は、腸内環境を整える際に重要な善玉菌を元気にさせることができるからです。
「食物繊維は一般的に、水に溶けるかどうかで、2種類に分けられます。善玉菌が居心地のいい環境にするのが、水に溶けない『不溶性食物繊維』です。善玉菌の居心地がいいのが、腸に便がたまっていない環境です。不溶性食物繊維は、水分や老廃物などを吸着して、便のかさを増やして排出しやすくしたり、腸を刺激して、ぜん動運動を活発化し、排便を促したりといった性質をもっており『腸のおそうじ繊維』といえる存在です」
2種類の食物繊維を含んだバナナで善玉菌を元気に
そして、善玉菌を元気にするためのエサとなるのが、もう1つの水に溶ける「水溶性食物繊維」。昆布やわかめといった海藻類、こんにゃく、里いもなど、ヌルヌル、ネバネバしたものや、ごぼうなどに多く含まれており、この「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類をバランスよくとることが腸内環境を整えるためには大切です。
「バナナには不溶性と水溶性、両方の食物繊維が含まれていますし、なにより、その両方の食物繊維の腸活効果を併せ持つ、レジスタントスターチという成分が豊富です」
「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」、そしてレジスタントスターチが含まれたバナナを毎朝とることで、善玉菌が元気になって腸内環境が改善し、腸内環境の改善で自律神経が整うことで、やせる体に近づいていくことが期待できます。
◆教えてくれた人:医師・小林弘幸
こばやし・ひろゆき。順天堂大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。「腸のスペシャリスト」として、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設。著書に『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(同)など。