パートナーの不倫を阻止するには
夫の発情にストッパーをかけるために、妻としてできることはあるのでしょうか。
「男性の場合、もともとは生殖の本能がばらまき型。ですが、社会的には許されませんよね。いかに社会的な正義に対して誠実でいられるかは、その人の品性や信念、理性にかかっています。
それでも本能に抗えなかった場合、妻は、浮気の気配を感じた時点で大騒ぎして止めたらよいのかな。あるいは、日本の男性は、妻を“お母さん”のように見ているところがあるから、浮気をしたらお灸をすえられると思えば抑止力になるとは思いますが、どうでしょう…。いずれにしても、家をカンファタブルな“帰ってきやすい”場所にしておくといいと思いますが、そう割り切れる人は多くないかもしれませんね」
では、妻自身の浮気を食い止めるために、夫にできることは?
「竹内久美子さんによれば、メスはつがいより免疫力の高いオスに走る傾向があるので、免疫力の高いオスは浮気されない。そう考えると、オスは、生殖の相手として自分がふさわしいことをアピールするといいでしょう。人間の場合、風邪をひきやすいなど免疫力に自信がなければ、愛の言葉をマメに伝える、家事や育児の担い手になる、姑から皮肉を言われたらかばってあげるなど努力をすること。妻に対して誠実であり、夫婦関係を大事にすることです」
夫の不倫はただの浮気。妻の不倫は本気。それも一つの真実のようです。同じ不倫でも重さが違うため、対策も異なるようです。
◆教えてくれたのは:人工知能研究者、脳科学コメンテイター・黒川伊保子さん
1959年長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、”世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。著書に『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)『思春期のトリセツ』(小学館)『60歳のトリセツ』(扶桑社)など多数。
取材・文/桜田容子 撮影/浅野剛