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コロナ禍が明けても立ちはだかる夫婦の「在宅の壁」、乗り越えるには「相手に話しかけてはいけない」

家事は縦割り方式でリーダーを決める

感性の違う夫婦は、家事のやり方まで正反対。衝突しないためには、どんな工夫が必要でしょうか。

「夫婦で家事をするなら、“縦割り方式”をおすすめします。妻はお料理担当、夫は洗濯担当、というように、縦割りでリーダーを決めるんです」

あくまでも、担当ではなくリーダーを決めることがポイント。

「リーダーは担当を振り分けられる権利があるので、リーダーが洗濯をできないときは他の誰かを指名して、洗濯をしてもらうことも可能。そしてリーダー意外の誰かが勝手に洗濯したときは、リーダーに報告をします。ちなみに我が家は夫が洗濯リーダーです」

女性が全部やろうとせず夫にも家事を任せる
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夫婦は不安を共有することで絆を深めていく

「在宅の壁」がありながらも、コロナ禍で絆を強めた夫婦もいると言います。彼らが共通して抱えていたのは、「不安」。

「特にコロナ初期の頃は、感染や健康に関する不安を抱えた夫婦もいたでしょうし、職業によっては収入が下がり、経済不安も抱えた夫婦もいたでしょう。

人間、不安を抱えていて、その不安も強ければ強いほど連帯意識が生まれて協力し合えるもの。それが夫婦ならなおさらです。夫婦は一緒に過ごすことには向いていなくても、本来生存することには向いてる2人なので、同じ不安を共有していれば、一番支え合えるはず。中には、そういうときでも頼りにならず、『支え合えるはずなのに……』と、期待を裏切られた夫婦もいたかもしれませんが」

夫婦ともに在宅時間が長くなったら、互いに個の空間と時間を確保すること、不安を共有して解決を探ること、この2つで「壁」を乗り越えていきたい。

◆教えてくれたのは:人工知能研究者、脳科学コメンテイター・黒川伊保子さん

人工知能研究者、脳科学コメンテイター・黒川伊保子さん
人工知能研究者、脳科学コメンテイター・黒川伊保子さん
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1959年長野県生まれ。人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、”世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。著書に『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)『思春期のトリセツ』(小学館)『60歳のトリセツ』(扶桑社)など多数。

取材・文/桜田容子 撮影/浅野剛

黒川さんの新著『夫婦の壁』