暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、管理栄養士で防災食アドバイザーとして活躍する今泉マユ子さんが、防災食としておすすめの「オートミール」について教えてくれました。
災害時にしっかりエネルギー源となる「オートミール」は腹持ちもよい
今泉さんが防災食としておすすめするのが、「オートミール」。
「まず、今回は『在宅避難の備え』ということで、『非常持ち出し袋に入れるもの、避難所で食べるものではない』ということを先にお伝えしておきます。ライフラインが止まった家はテントと同じということです。備えなしでは在宅避難は成り⽴ちません。
防災食は『生きるためだけの食事』『我慢して食べる食事』ではありません。災害が起きたあとも体に必要な栄養を確保することはとても大切ですが、それと同時に心の栄養を摂ることも大切です。自分の好きな物、食べ慣れた物を備えて下さい。
オートミールは、災害時に不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維をしっかりとることができ、少量で満腹感を得られ、腹持ちがよく、栄養が豊富で調理方法が簡単なので、ぜひ普段から取り入れて、食べ方に慣れておいてください。停電していなければ電子レンジを使って短時間で簡単に作ることができます」(今泉さん・以下同)
ライフラインが止まっても簡単調理が可能
オートミールは、ライフラインが止まったときでも簡単に調理ができるそうです。
「オートミールは、ライフラインが止まったときでもお湯ポチャレシピ(耐熱性のポリ袋に材料を入れて湯煎する調理法)で、節水&短時間で温かいものが食べられます。お湯ポチャレシピの場合、生米は20分火にかける必要がありますが、オートミールは5分+蒸らし5分でできあがります。鍋やスープ系に入れて混ぜるだけでもおいしいですし、和洋中なんにでも合い、甘くもしょっぱくも作れて飽きずに食べることができます。
常温保存できるからと買って備蓄していても、食べ方に慣れていないと『調理の仕方が分からない』などいざというとき活用できないので、平常時に作って慣れておくことをおすすめします」