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2024年1月から始まる「新NISA」、今始めたほうがいい?リスクは?気になる疑問をFPが解説

そもそも投資をすることのメリットとは?

税制面で優遇されている新NISAですが、投資であることに変わりはないため、元本が減るリスクはあります。そう聞くと、やはり元本が減らない預貯金のほうがいい、と感じる方もいるかもしれませんが、預貯金の場合はお金自体の価値が下がる場合、つまりインフレ時のリスクを負うことになります。

インフレになると、前と同じ価格で物が買えなくなる

例えば1年後に1%のインフレが起こった場合、今1万円で購入できる物も、1年後には1万100円支払わないと購入できなくなってしまいます。つまり、1万円の物の価値が1年間で1万100円に上がっていることになります。

一方で、預貯金の金利はほぼゼロであるため、預貯金の1万円は1年経っても1万円のまま。例えば、100万円の預貯金があるとして、今は100万円のものが購入できても、1年後には購入できなくなる、つまり保有しているお金の価値が実質的に下がっているといえるのです。

預貯金以外で運用するとインフレリスクを抑えることができる

インフレ時はさまざまな物の価値が上がるため、例えば建設資材など物の集合体である不動産は価値が上昇しやすくなります。不動産関連の投資信託(J-REIT)を購入していた場合、不動産の価値の上昇に伴って、投資信託の価値も上昇します。その結果、預貯金のみで資産を保有している場合より、インフレ時のリスクを抑えることにつながります。

高リスクのイメージ
保有資産が預貯金のみだとインフレ時のリスクが高い(Ph/photoAC)
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新NISAで株主優待に挑戦するのもあり?

株主優待は、一定量の株式を保有するだけで、その会社の商品やギフト券などの優待品がもらえます。興味がある方は、これを機に始めてみてもいいでしょう。

ただ、株式は投資信託と比べて値動きが激しい場合が多いうえ、株主優待の内容が改悪になったり、優待自体がなくなってしまうケースもありますので、保有している資産の余裕度も加味したうえで投資するようにしましょう。

何もやらないよりはロボアド投資におまかせする手も

自分で銘柄を選んだり、売買のタイミングを決めたりする自信がない場合は、ロボアドバイザーを使ったロボアド投資という方法もあります。自分で銘柄や売買タイミングを決める場合と比べ、手数料がやや高くなるというデメリットはありますが、利息がほとんど付かない預貯金だけで何かしら投資を始めたいと考えている人は検討してもいいと思います。

今回紹介したNISA口座を活用したロボアド投資もありますので、NISAには興味はもったけど銘柄選びや売買が難しそう…と考えている方は検討してみてもいいでしょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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