電車で日帰り温泉の旅へ
2日目はアルバイトを早めに切り上げて、今度こそは本気で体を癒したくて、ひとり温泉へ。目的地は埼玉県、東武動物公園の日帰り温泉『雅楽(うた)の湯』で、「温泉もいいけれど食事がおいしい」という評判を聞いていたの。
それプラス、乗り鉄の私の目当ては夕方から夜にかけてだけ走っている東京メトロTHライナーに乗ること。秋葉原から東武動物公園まで690円の乗車券のほか690円の指定席券がないと乗れない、地下鉄から直通の中距離電車って、それだけで萌えない?
こうしてたどり着いた『雅楽の湯』は疲れた身体を癒すに最高な温泉でね。広い露天風呂に心地いい夜風が吹いて、しばしうたた寝の気持ち良さったらない。
さてさて、お風呂の後は評判の食事!さんざん迷ったあげく私が注文したのは、カツ丼でした。いくらなんでも、と思ったのよ。前日に鰻重で翌日はカツ丼って、部活少年じゃないんだからさ。ここは66歳らしく軽くお蕎麦にしようよと、私の中の理性は言うんだけど、その倍くらいの大声で「カツ丼食わせろ」と、私の中の野性が叫ぶんだよ。さすがにご飯は4分の1くらい残したけれど、しかしおいしかった!
そしてシメは『富士そば』
そんな丼シリーズのしめは、秋葉原の『富士そば』の春菊天そばに長ネギ追加。これをすすったらすっかり憑き物が落ちて、気がつくと体も食事も平常通り。こうなるまでに丸2週間、ジタバタしたね。
思えば日常って感情が揺さぶられることが少ないからいいんで、天に登るようなうれしいことは慣れてないと後が大変。手足がバラバラに動く壊れたマリオネットみたいになるなんて、これは誰も教えてくれなかったわね。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
【372】66歳オバ記者が講演会デビュー なぜオファーが?ほぼ満席の会場で何を語った?