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66歳オバ記者に人生初の講演会オファー しかし直前に「コロナ?」、開催当日を迎えるまでの顛末

オバ記者
人生初めての大事な講演会の前に体調を崩したオバ記者だったが…
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(66歳)。このほど人生初めての講演会を行うことに。しかしその直前、「風邪?」「コロナ?」気になる症状が…。果たして無事に講演会を行うことができたのか? オバ記者がレポートする。

* * *

風邪?気になる「なんか寒い」

あの、風邪ひいていないですか? 実は私、かなりデカい風邪にやられました。前回、2日寝込んだと書いたけれどそんなもんじゃ済まなかったの。

最初にゾクっときたのは10日前の昼、愛知県の常滑市で行われたある人の講演会。役所の会議室のようなところで抱腹絶倒の話を聞いていたときに、「なんか寒いな~。室温、間違えてる?」と思ったのよ。だからといってクレームをつけるほどではない。

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最初にゾクってきたのは前から楽しみにしていた講演会のとき
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てか、その日はもうひとつ、人と会う用事があったの。常滑駅から名古屋駅に向かう途中で、ちょっと混みいった話をするために人と待ち合わせをしたのよ。

初めて降りた駅はとっぷりと日が暮れていて、そこにパラパラと雨が降ってきて、待ち合わせ時間にはまだ40分ほどある。そのうち気温はどんどん下がってきて、長袖シャツをもう一枚重ね着したけどまだ寒い。ちょっとでも暖かいところに逃げようと駅前のコンビニやドラッグストアに入ったけれど、どうしたことか店内はどこもここも暖房費をケチっているのか薄ら寒いんだよね。

覚悟を決めて待ち合わせした駅の改札に立ったものの、まだ待ち合わせ時間まで15分ある。こんな時に言うんじゃなかったっけ。「心頭滅却すれば火もまた涼し」って、こらっ、やめろ、涼しくしてどうするのよ!と自分で自分にツッコミを入れながら軽く地団駄を踏んでいたら待ち人来たる。実は彼女も早めにきて、私にLINEを送っても既読にならないから、駅周辺をうろうろしていたってこれは彼女と会ってから聞いたこと。ああ、もう年はとりたくないね。

風邪をこじらせるときは悪手ばかり

なんでこんな時にスマホを開かないかというと、暗い場所でスマホをみようとしたら、その前にバッグから老眼鏡を取り出さなくちゃならない。バッグの中が整理整頓していてスッと出るならいいよ。そうでないからあっちをひっくり返し、こっちに手を突っ込んで、ああん、もう、なんでないのよッ!という憂き目にこれまで228回くらいあっている。ああ、もういいやと開く前にあきらめちゃうんだよ。

スマホを見るのに必要な老眼鏡をバックの中から探すのがストレス!
スマホを見るのに必要な老眼鏡をバックの中から探すのがストレス!
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しかも風邪をこじらせるときって、どういうわけか悪手ばかりするんだよね。しかも自分のしていることが悪手とは気づかない。後からわかる。

で、どうなったか。深夜にのどが痛くなって体が熱を持ち、1時間おきにトイレに起きて寝られない。いや〜な予感がしたのよ。この症状は、昨年の暮れにコロナになって弟夫婦と親戚一家にウイルスを撒き散らしたときとよく似てるんだもの。特に頻尿がそう。

10日後に故郷で初の講演会予定

私、10日後に故郷で初の講演会をすることになっているんだよね。コロナとわかったら即、主催者に連絡して中止すべしでしょ。ものすごく楽しみにしていてスピーチ原稿もほぼ出来上がっている。でも故郷の人に迷惑をかけるわけにはいかないって。

なので翌日、名古屋駅近くのホテルを早々に引き払い、ピッタリとマスクをして新幹線で帰京。ほぼ満席の自由席はやめて人もまばらなグリーン車に乗ったの。そしてネットで休日でもPCR検査をしてくれる浜松町のクリニックを発見。雨がぱらつく中、不安で倒れそうになりながらクリニックに辿り着いて検査をしたのが午前1時。

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コロナじゃありませんように。祈る気持ちでPCR検査を受ける(写真は大学病院で検査を受けた時の一枚)
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でも、その場ではわからず夜の10時に結果がメールで送られてくるというの。まあ、この待ち時間の気持ちといったらないわよ。熱っぽい体をくの字にして寝ては覚め、覚めては寝る。目が覚めているときは鼻水が滝のように流れて止まらない。それでハッと気づいたらいよいよ“結果発表”の10分前になっていたの。

もうね。「陰性でした」というメールを見た時は腰から砕けそうになったって。でもすぐにまた不安になったわけ。これでオッケーと私が判断するのもどうよ、と。なので、翌日、かかりつけ医のT医院に行って、黙って体温計の画像と、PCR検査「陰性」のメールを見せた上で、講演会の告知を見せたわけ。

本当にコロナじゃない?かかりつけ医の元へ

そうしたら「ふむふむ、おそらく大丈夫でしょうね」とキッパリ。40歳になるかならないかのT医師は秋葉原の開業医の4代目だと、以前に聞いたことがある。その家系ってダテじゃないんだよね。この時も私が「昨日はコロナは陰性という検査結果が出たけど、明日はわからないじゃないですか?」と聞くと、もう一度カレンダーを見て、「でもまだ一週間以上時間があるじゃないですか。これから薬をちゃんと飲んで、それでも熱が下がらないようだったらもう一度、PCR検査をしたらどうですか? 講演会? 東京ドームだって前日に中止になる世の中ですから、そうなったらそうなった時ですよ」と言われたら納得するしかない。

それで安心したのか翌日には平熱になった。それで「風邪で2日寝込んだ」と前回、書いたんだけど、ところがそれだけでは終わらなかったんだよね。大事をとって家にいてスピーチの練習をしていたら、翌日の夜中に38度2分! 朝になって36度5分になっていたけど、昼過ぎにまた37度7分。一日に何回、熱を測ったかわからないわよ。

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心配し過ぎて 1日に何度も体温を測っちゃった
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そうしている間にも朝晩の2回、処方されたカロナールを飲んでいたけど、効いているのか、いないのか。そんな日が4日間続いたんだから。この時ばかりはひとり暮らしの限界?と何度も思ったよね。限界だと言ったところですぐにどうなるものでもないけれど、今後の生き方には関わってくるじゃない?

講演会当日は2時間立ちっぱなし

そうこうしているうちに日に日に体調が上向きになり、10月18日の講演会まで「あと3日、あと2日」とカウントダウンが始まった。コロナの兆候は、ない。

そして前日に行きつけの鍼灸院で体の調整と顔のリフトアップをしてもらいに行ったら、40代半ばの美人整体師Hさんは私の体を触りながら「状態、悪くないですよ」と言うのよ。そういえば鼻水も止まっているし喉も痛くない。

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講演会場には写真入りのポスターが
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「今、コロナもそうだけど風邪とインフルエンザが流行っているんですよ。野原さんの場合、ちょっと風邪をこじらせたんじゃないですか。今、風邪をひくと2週間くらいグズつきますよ」とHさん。

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故郷に錦を飾った? オバ記者 無事に講演会は終了した
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そんなわけで、講演会前に人知れずの大波乱があったけれど、本番当日は元気いっぱい。2時間立ちっぱなしで“漫談”をしてきました。

だけど、ああ、よかったと、気が抜けたときに風邪ってひくんだよね。風邪ならいいけど、コロナだったら? 今、人前に出る仕事をしている人って、みんなこんな思いをしているんだね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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