カロリーが低く水分が多いもやしは、栄養の少ない野菜と思われがち。しかし、野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、体や心によいさまざまな栄養素が含んでいるといいます。どんな栄養素が含まれているのか、また野菜ソムリエプロおすすめのもやしレシピも教えていただきました。
* * *
実は栄養たっぷり!発芽で生まれる成分の効果とは?
栄養がほとんどないと思われがちなもやしは、実はビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維などの栄養素を含んだ優秀な野菜です。全体の90%以上が水分ですが、水分以外の10%の部分に栄養がぎゅっと詰まっています。
発芽で生まれるアスパラギン酸&GABAの効果
もやしは発芽時にさまざまな栄養が生まれています。特に注目したいのは、栄養ドリンクなどに含まれるアスパラギン酸と、ストレスの味方の成分であるGABAです。
アスパラギン酸は、疲労回復やスタミナ増強、高血圧予防に効果のあるアミノ酸の一種。利尿作用と毒性のアンモニアを体の外に出す効果があるため、むくみ解消にも効果があります。さらに、新陳代謝を活発にしてくれるので美肌にも効果的です。
一方のGABAはγ-アミノ酪酸の略称で、免疫力を高め、ストレスを和らげたり体をリラックスさせたりといった効果があります。水に溶けやすい成分なので、茹でるよりもレンジ調理することで効率的に摂取できます。
品種によって栄養価が変わる!選ぶなら豆もやし
もやしは他にもビタミンB群やビタミンC 、カリウム、カルシウム、葉酸や鉄などの栄養素をバランスよく含んでいます。また、現代生活では不足しがちな食物繊維も多く、良質のたんぱく質もある栄養たっぷりの野菜です。
ちなみに、もやしは種類によって栄養価が異なります。特に、豆がついたまま売られている豆もやし(大豆もやし)は、緑豆もやしやブラックマッペなどの品種と比べて各栄養成分の含有量が多いです。
特にたんぱく質やアスパラギン酸、GABAは豆もやしに多く含まれています。栄養を効率よく摂るならば、豆もやしを選ぶことをおすすめします。
もやしを使った野菜ソムリエプロおすすめレシピ2選
もやしは鍋や炒めものに使うだけでなく、副菜や常備菜としても活躍します。簡単な調理で食卓に一品増やせる「もやしのナムル」と「バラ肉ともやしの蒸し焼き」のレシピをご紹介します。消費期限が迫って困ったときにも活用ください。
「もやしのナムル」のレシピ
《材料》(3人分)
もやし…1袋 ごま油…大さじ1 すりおろしにんにく…小さじ1/2 しょうゆ…小さじ1/2 鶏がらスープ…小さじ1/2 塩…少々 白ごま…適量
《作り方》
【1】もやしはよく洗い、ラップに包んで電子レンジ(600W)に3分かける。
【2】もやしの水を切りボウルに入れ、その他の材料も加えてよく混ぜ合わせたら完成。
「バラ肉ともやしの蒸し焼き」のレシピ
《材料》(2人分)
もやし…1袋 豚バラ肉…200g 酒…大さじ1 塩こしょう…少々 ポン酢…お好みの量
《作り方》
【1】バラ肉は10cmほどに切り、酒をふりかけ約10分置く。
【2】フライパンによく洗ったもやしを広げて置き水分を拭き取り、バラ肉を上にのせる。
【3】フライパンにふたをして中火で火にかけ、肉に火が通ったらでき上がり。食べるときにポン酢をかける。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ