初対面の人と話すときや、エレベーターで上司・同僚と話すとき、雑談の内容に困ることはありませんか? 『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)を上梓したコミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんに、場面別で使える雑談テクニックと、長くなりすぎた雑談の上手な終わらせ方を教えてもらいました。
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初対面の人とは「観察+感情」で話す
初対面の人と話すときには、相手の興味関心がわからず、話題に困り沈黙してしまう場面も多くあると思います。そんなときにおすすめなのが「観察+感情」で話すこと。具体的には、次のようなステップです。
【1】一緒にいる空間を観察して、共有できるネタを探す
【2】その観察についての、「自分の感想」を述べる
「たとえば、『このレストランは内装がおしゃれですね。こういうレストランはよく行かれますか?』とか、『このスープ、すごく味が深いですね。スープはお好きですか?』とか。同じ時間と空間で、同じように五感を動かしていることを強調します」(ひきたさん・以下同)
そうすることにより、持っている話題がなくても、観察次第でネタを見つけることができます。
エレベーターで上司や同僚と話すときには「鉄板ネタ」を
エレベーターで上司や同僚と鉢合わせたときも、とっさの雑談がないと気まずい雰囲気になってしまいますよね。相手は見知った仲であり、落ち着いて考えれば何かしら話す内容が出てくるもの。それでも沈黙してしまうのは、焦ってしまっているからです。
そんな時のために準備しておきたいのが、とっさのときに取り出せる「鉄板ネタ」のリスト。ひきたさんがおすすめする鉄板ネタは「テン・プラ・ジジ・ケン」の4つです。
・テン…天気の話題
・プラ…プライベートで熱中していること
・ジジ…時事ネタ
・ケン…健康の話題
天気の話題の場合は、その日の天気を導入にして身近な話題に話を持っていったり、プライベートな話題の場合は、自分が今ハマっていることや最近体験したことについて話したり、といったイメージです。このような鉄板ネタを用意しておけば、とっさの時にも雑談ができるようになります。
「ちょっとした事前準備は必要ですので、意識して、ふだんからネタ集めをしてみてください」
価値観が違う人と話すとき
価値観が違う人と話すときには、「親しみやすいけど、ていねい」を意識した会話をするのがポイント。年下の人や、自分よりも経験が浅い人であっても、きちんと「です・ます」調で話したり、感謝の言葉をしっかり伝えたりなど、尊敬の念をもった対応をすることです。
「お互いの違いを認め、絶えず相手を尊い存在だと思う。『親しみやすさとていねいさ』を意識して、雑談に参加してみましょう」