
ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(66歳)。ここ数年、愛猫や身内の死を相次いで経験。昨年は自身の大病で手術、入院をした。最近、ひとり暮らしの寂しさを感じることが増えてきた。そんなオバ記者が綴る「健康不安」と「寂しさ」について。
* * *
左上腕部から肩にかけてズドーンと痛みが…
あっちが痛い、こっちがつらい。子供のころ、おばあちゃん子だった私には不思議で仕方がなかったの。年寄りの話といえば話題の半分くらいがそれ。が、今は私が2日に一度、3日に一度くらいの割合でどこかが痛いんだよね。

たとえば右足の脚の付け根が痛い。ヨガをすると右足の踏ん張りが効かないのはそのせいでね。ときどき階段を登ろうとして、足がこわばって上がらなかったりする。でもそれはまだいい。気になるのは左上腕部から肩にかけて、夜寝る頃になるとしびれてズドーンと痛くなることなの。50代半ばから不整脈がでて血圧は上が160超え。今は血液サラサラにする薬と血圧とコレステロールをコントロールする薬を飲んでいるけど、ふとした瞬間に息切れがするし、ときどき心房細動という首を絞められるような心臓発作を起こす。だから左側の痛みは、「えっ、心臓に異変? ってことは心筋梗塞の前兆? 私、やばい?」とたちまち頭の中に警戒警報が鳴り響くんだわ。
お世話になっていた“お隣さん”が引っ越し
その警報がこれまでより大きく鳴り響いたのは、つい最近、私の部屋の隣に住む4歳年下のSさんが引っ越してしまったからよ。親の介護で実家に帰ると言われたら、同じ道をたどった私は他人事じゃない。でもそれはそれ。昨年の秋、卵巣と子宮を全摘して退院したら、お赤飯にお団子、野菜ジュースなどなど、すぐに食べられるものをパックにしてドアにかけてくれたの。先日、大風邪をひいたときもそう。Sさんも病気で伏せっていた時期があるから風邪のときはカップ麺と鰻とか、差し入れも小技が効いているわけ。

こういう人が身近にいるありがたさって、いなくなって初めてわかるんだよね。しかも私の住む千代田区は人口7万人に届かない都心過疎。もうね。これまで弱音を吐いたらダメだと思って踏ん張ってきたけれど、ひとり暮らしがこんなに心もとないものだとは思わなかったのよ。弟、義父、愛猫、母、親友をこの5年で次々に亡くして、私の身内のほとんどが消えた寂しさが一気に押し寄せてきた感じ。

もう、どうするよ。若い頃は寂しいときはやたら動き回って紛らわせたけど、ろくなことにならないんだよね。私のダメ男遍歴だってみんなこういうときに魔がさしてる。ま、今となればダメ男でもいないよりマシか、とかふと思ったり……。いや、それはダメ!
かかりつけのT医師の元へ駆け込んだ
なので、寂しさはいったん横に置いておいて、とりあえずの心配事はこの肩の痛みが心筋梗塞、脳梗塞の前兆かどうかということ。で、倍速でYouTubeを見まくるんだけど、それも昨年秋の「卵巣がんの疑い」で手術した時にやりつくして、なんとなくわかったんだよね。肩の痛みにしても医者によって楽観と悲観、どっちかに軸足をおくの。で、どっちの仮説を聞くかは、私の気持ち次第。つまりはアテにならないということ。

こんな時に私が駆け込むのはかかりつけ医のT医師のところ。診察室で私が肩の症状を一気に話すと、「ふむふむ。でも心臓とは関係ないですね。それより左肩を下にして寝ていませんか? ぼくもそうだけど巻き肩の人はどうしても肩に体重を乗せがちなんですよ」だって。そして肩を後ろに回して寝るといいですよと教わり、その通りにしたに、あら不思議。しびれも痛みもかなり減ってきている。
“捨て活”を再開!「直置きしない」のがカギ
で、何が言いたいかというと、体に気になるところがあると、前を向く気にならない。前を向く気にならないと、”捨て活”に身が入らない。この間からコツコツ、毎日何かを捨てているのに、部屋の中は相変わらずグチャグチャ。

「何ひとつ床に直置きしないのがキレイな部屋にする絶対条件です」。これは何人かのお片づけYouTuber、共通の言い分だけど、それができたら苦労はしないって。現状、足の踏み場もないとは言わないけれど、部屋の中に“けもの道”ができている状態だ。
さて、ここからどうするか。いらない段ボール箱や、着ない服をゴミ袋に詰め込んでいたものの、なかなか加速しないんだもの。そんな話を編集者のSさんと、スーパー仕事ができるライターのMさんにしたら、「床置き、絶対にダメ。運気が下がります」と言うのよ。

これを私、信じることにしたの。床置きは運気が下がる、ということはよ。今の床置きを片付けたら、私の運気はどこまで上がるのよ! これはもう、やるっきゃないじゃない。というわけで引き続き、”捨て活”中です。
◆ライター・オバ記者(野原広子)

1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
【376】《老いを実感した日》66歳オバ記者、ちょっとした段差ですっ転ぶ 手を差し伸べてくれた若者にすがりつけず…そのときどうした?
【375】「片付けられない女」66歳オバ記者が始めた“捨て活”、きっかけは両親の死 そしてたどり着いた「モノを捨てるコツ」