
2024年1月1日に行われる「新年祝賀の儀」で皇后雅子さまをはじめとする女性皇族方がティアラを着用される方向で、宮内庁が調整を進めていると報じられました。ティアラの着用はコロナ禍で苦労する国民に考慮し、2021年から着用が控えられていました。もし、実現となれば4年ぶりになります。そこで、今回はこれまで女性皇族方がお召しになったティアラを紹介します。
雅子さまから紀子さまへ受け継がれた「皇太子妃の第一ティアラ」
1993年、天皇皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)のご成婚パレードで雅子さまが着用されていたのは「皇太子妃の第一ティアラ」、「皇太子妃のティアラ」と呼ばれるもので、美智子さまから受け継がれたものです。
1959年に美智子さまが成婚される際、香淳皇后が皇太子妃として使われていたティアラのダイヤモンドを生かし、ティアラをリフォームしました。ミキモト(当時は御木本真珠店)の田居克己さんがデザインをしたティアラは唐草模様が特徴的で、1000個ものダイヤモンドがあしらわれているそうです。




現在は紀子さまの元へと受け継がれています。紀子さまは2020年11月8日の「立皇嗣の礼」が皇居で行われた際にお召しになっていました。





明治時代から代々受け継がれた「皇后の第一ティアラ」
2019年11月、天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」で「皇后の第一ティアラ」と呼ばれるものを着用された雅子さま。「皇后の第一ティアラ」は1886年、ドイツにドレスとティアラ、ネックレスなどの装飾品を発注し、明治時代の皇后、昭憲皇太后のために作られたものといわれています。当時の新聞ではブリリアントカットのダイヤモンドが60個、使用されていると報じられたそうです。その後、代々の皇后が身につけ、美智子さまから雅子さまへ受け継がれました。
宮内庁の内部資料に「皇后陛下御正装の装身具類」として「冠(ダイヤ)A型」「冠(菊型)B型」と記載されています。雅子さまが受け継がれた第一ティアラは「A型」、「B型」は美智子さまがおつけになる菊の花をモチーフにしたティアラとされています。










中央のダイヤは21カラットで、ティアラの先端に9つの星が輝くようなデザイン。星の飾りは取り外すことができます。美智子さまも、雅子さまも外した状態でつけられていました。

眞子さんと佳子さまは新調されたティアラを
女性皇族のティアラは、歴史あるもの以外に新調されるものもあります。小室眞子さんが成人した際に作られたティアラは銀座・和光が制作したもので、ティアラを含めた宝飾品一式で約2856万円でした。公費で作られたティアラは皇室を離れる際には国に返すことになっているため、現在は返却され、宮内庁で保管されているそうです。




また2014年に制作された佳子さまのティアラは、宝飾品一式で約2793万円。業者を一般から公募し、適格とされた5社から、黒田清子さんのティアラなどを製作した実績があるミキモトが選ばれました。



愛子さまは黒田清子さんのティアラを
愛子さまは両陛下と相談され、コロナ禍の国民生活への影響を考慮し、ティアラを新調せず、天皇陛下の妹・黒田清子さんのティアラを借りました。上皇ご夫妻の私費で作られたため、2005年に結婚された後も清子さんが所有していました。



今年の8月、物価高の中での国民感情と両陛下のお気持ちを考慮し、来年度の概算要求にティアラの制作費が入れられなかったことを宮内庁が明らかにしました。国民に寄り添われる天皇ご一家のご決断に称賛の声が広がりました。
第一ティアラと呼ばれるもの以外にも、第二、第三とさまざまな種類のティアラがあり、そのなかには雅子さまが未だ、つけられたことのないものもあります。困難な時代を乗り越え、2024年の1月1日にやっと解禁されるティアラ姿。雅子さまがどのティアラをお召しになるか大きな注目を集めそうです。