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【大塚寧々 ネネノクラシ#64】老眼鏡デビュー!沖縄でお気に入りを見つけるも「酔ってしまう感じ。困った!」

老眼鏡デビューすることに(Ph/中野修也(TRON))
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女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第64回は、「老眼鏡」について。

* * *
以前から近い距離が見えにくくなってきたなあ~と思っていたが、いよいよ夜ベッドで本を読む時に文庫の小さい文字がつらくなってきた。なるべく手を伸ばして、本を遠ざけるのだが、読みづらくてページがなかなか進まずそのうち眠くなってしまう。

先日、学生時代からの友達と夫と沖縄に行った。羽田空港に本屋さんがあり、覗いてみるとちょっとした文具も置いてあるところに老眼鏡があった。買おうかどうか悩んでいると、友達が色々な種類があるからもうちょっと考えたらと言ってくれたのでひとまず買うのをやめた。

彼女の老眼鏡をかけさせてもらったのだが、まあ~よく見える! しかし、ふと違う場所を見ると、くらくらする。彼女は笑いながら、近くしか見ちゃダメよ~と言う。そうだ、私は拡大鏡とかも苦手だった。そこから、老眼の話になったり、LINEの文字の大きさの話になったり、親の話になったりしたのだが、私たちも年取ったよね~と笑った。

沖縄で見つけた「リーディンググラス」、これで文庫本が読める!

沖縄ではゆっくりのんびり過ごしたのだが、雑貨屋さんに行った時にまた老眼鏡があった。 リーディンググラスという可愛い名前だったが。もうこれは買うしかないと思い、色んな種類がある中で一番軽いのを選んだ。よし!これで心置きなく文庫本を読めるぞ~と嬉しくなった。一緒に沖縄に行った良い思い出にもなるなあと思った。

結局、あまり使っていない…(Ph/大塚寧々)
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その晩、ベッドで初の老眼鏡をかけてみた。おお~読みやすいぞと嬉しくなったが、すぐに疲れてしまい寝てしまった。慣れていないからなのか、文字との的確な距離を保つのが難しい。結局老眼鏡を使っていなかった時と同じく、体と本との距離を近づけたり離したりしながらになってしまう。何というか、酔ってしまう感じなのだ。

ん~困った。

度数が合っていないのかもしれない。化粧品などの色番号とかを見るのにはすごく便利なのだが…。本を読む時以外に、文字を書くときも困るのだが結局今のところ老眼鏡はあまり使っていない。

これからもっと年を重ねると、今まで感じなかった色々な事が出てくるのだろう。

とにかく笑いながら、上手にゆっくりとつきあっていこうと思う。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。

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