暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、オーラルケア専門店の店長で歯磨きマニアとして活躍する酒向淳さんが、アラフィフ世代に必要な「夜用の歯ブラシ」について教えてくれました。
歯周ポケットを持つ人がアラフィフでは半数近く!夜は時間をかけたケアが必要
酒向さんは、朝には朝用の夜には夜用の歯ブラシで磨くことが大切と言います。その理由は歯周ポケットにあるそうです。
「歯周ポケットとは、歯茎の歯との境の部分。この歯周ポケットの深さが、歯周病の進行状況を知るにあたって重要になります。2022年に6年ぶりに行われた歯科実態調査(厚生労働省)によると、20代後半から4mm以上の歯周ポケットを有する人が増加する傾向にあり31%存在し、55歳以上では47%の人が4mm以上の歯周ポケットを有するという結果でした。また、全体としては前回調査より減少傾向にあるものの、75歳以上では調査の度に増加しています。
結果から見ると、国民全体として近年オーラルケアの意識向上は認めるものの、年齢とともに歯周病のリスクが高くなる傾向が見てとれました。歯周病予防のためには歯周ポケットまでケアすることを意識することが大切。特にアラフィフ世代は歯周ポケットを持つ人がぐっと増えるので、朝や日中は忙しくて磨けなくても夜に時間をかけて1本1本しっかり磨くとよいでしょう」(酒向さん・以下同)
夜用の歯ブラシは歯周ポケットに届きやすいものを
酒向さんが夜用の歯ブラシとしておすすめするのが、ライオンの『DENT.EX.システマ歯ブラシ』(330円・税込、編集部調べ)。多くの歯科医院で歯周病患者に推奨している歯ブラシです。
「寝ている間は唾液の分泌が減少すると言われています。唾液による自浄作用が低下するため、口の中の細菌も増えやすい状態です。歯垢の中には細菌がすんでいるので磨き残しがあると、寝ている間に細菌がより増えやすくなります。そのため夜はしっかり磨ける歯ブラシでより丁寧に磨くことをおすすめします。
このシステマ歯ブラシは、4タイプあり、44Mがもっとも販売数が多いです。すべてのタイプに共通する特徴は、ライオン独自の毛先が細いスーパーテーパード毛を採用していること。細いだけではなく、しなやかなので歯周ポケットの中を簡単にケアができます」
ストレートハンドルで1本1本磨きやすい
この歯ブラシは時間をかけて丁寧に磨くことで清掃能力が発揮されると酒向さんは言います。
「歯ブラシ選びはコントロールのしやすさも重要なポイント。この歯ブラシは、ストレートハンドルなので、自身でコントロールしやすく、1本1本丁寧に磨くことが求められるアラフィフ世代に向いています。太さも太すぎず細すぎず、女性の手にも持ちやすいフィット感だと思います。そして丁寧に磨くほど高い清掃能力を発揮する歯ブラシです」
◆教えてくれたのは:歯磨きマニア・酒向淳さん
オーラルケア先進国ドイツに本社のあるオーラルケアグッズ専門店、メガデント銀座店店長。自身も、1000種類以上ものハミガキグッズを試し、日常からシーンによってさまざまな種類のオーラルケア用品を利用。日本製、海外製も含めて歯ブラシ、ハミガキ、その他のオーラルケア商品情報に精通し、多くのメディアで専門家として取材を受けている。