
2024年2月9日、ケニア大統領夫妻を迎えて初めて午餐会に出席されるなど、成年皇族の一員として公務などのご活動をされている愛子さま。2年前の2022年3月17日、初の単独記者会見に挑まれた際には、ご成年を迎えられたお気持ちや抱負について述べられたほか、天皇陛下への感謝のお言葉も話されました。今回は、記者会見での愛子さまのお言葉と共に、天皇ご一家の思い出やエピソードを振り返ります。
愛子さまのため登校に付き添われた雅子さま
先の会見で記者から「天皇皇后両陛下はどのようなご両親ですか」という質問に対し、「両親は、私の喜びを自分のことのように喜び、私が困っているときは自分のことのように悩み、親身に相談に乗ってくれるような、私がどのような状況にありましても、一番近くで寄り添ってくれるかけがえのない有り難い存在でございます」と答えられた愛子さま。

“寄り添う”といえば、初等科2年生のとき、学校生活に強い不安を訴えられた愛子さまが、登校ができなくなり、雅子さまが登校に付き添われる時期がありました。
2010年3月、定例記者会見で野村一成宮内庁東宮大夫(当時)が「同じ学年の別の組に乱暴なことをする児童がいて、宮さまを含め、他の児童に乱暴していることが原因と判明しました」と愛子さまが通学に不安があることを発表。登校に付き添われた雅子さまが、そのまま学校に残られ、授業や校庭で遊ばれる姿を見守られていたことに、世間から「プライベート優先」など厳しい声も上がりました。
この件について、2011年2月21日に開かれた会見で、天皇陛下は以下のように述べられました。
「この1年近く、親として愛子のために何をしてあげられるのかという思いで、雅子と共に考え、歩んできました。愛子は学校で怖い思いや、つらい体験をしましたが、それを乗り越えようと、前向きに頑張ってきており、私たち親としても、精一杯支えてあげたいと思ってここまできております」
こうした両陛下の愛子さまへ寄り添うお気持ちが、記者会見で愛子さまが語られた感謝につながっているのかもしれません









ご旅行先でのご一家の笑顔
また、思い出や日々の会話について問われると、旅行の思い出について述べられました。
「どの旅行も非常に思い出深いものでございますけれども、静岡県の下田市にある須崎御用邸に行き、海で泳いでいる時に、綺麗なお魚の群れを発見して皆で観賞しましたり、また、須崎はほとんど波のない穏やかな海でございますけれども、サーフボードを浮かべて、そこに3人で座る挑戦をして、見事全員で落下した思い出など、お話しし始めると日が暮れてしまうかもしれません。日頃から、家族では、その日にあった出来事などいろいろな話をいたします」



これまでのご旅行の際には、何度も素敵な笑顔を見せられたご一家。
約4年ぶりとなる昨年のご静養で、栃木県高根沢町の御料牧場に滞在された際には、ご散策中、天皇陛下が指された桜を見ようとした雅子さまが顔を寄せ、陛下と頭がぶつかるハプニングがありました。このとき、雅子さまが「ごっつんこ」とおっしゃり、愛子さまと共に笑顔を見せられました。















2019年8月のご静養の際にも、栃木県の那須塩原駅で出迎えた市民との交流中に、天皇陛下がポケットからハンカチを取り出して「ハンカチ王子」とつぶやき、雅子さまと愛子さま、そして周りを笑わせたというエピソードもあります。








動物がお好きなご一家 保護犬、保護猫への思いも
関心のあることについては、ボランティアと動物を挙げられました。
「盲導犬や聴導犬といった働く動物たちにも、学校主催のイベントや、動物についてのフォーラムの折などに触れる機会がございまして、動物好きの私といたしましては、心惹ひかれるものがございます」
動物がお好きな愛子さまは、学習院初等科を卒業された際に、「犬や猫と暮らす楽しみ」と「動物たちの大切な命」という作文を綴られ、可愛がられているペットと保護犬と保護猫について書かれていました。天皇皇后両陛下も動物がお好きで、愛子さまが誕生される前に赤坂御用地に入ってきた犬が産んだ子犬を引き取られ、ピッピとまりという2匹を飼われていました。







その後、2009年にピッピとまりは寿命を迎え、ご一家は新たに生後2か月の保護犬を動物病院を通じて、引き取られました。愛子さまが、まりの名前と似た響きの、由莉と名付けました。また、犬以外にも、15歳を迎えられた愛子さまの誕生日に、トラ猫のセブンが愛子さまの膝の上でくつろいでいる写真が公開されています。
愛子さまは記者会見で「両親と一緒に、飼っている犬や猫と触れ合う時間も、私の心安らぐ時間になっていると感じております。これからも、ペットを含め、家族で過ごす時間を大事にしてまいりたいと思っております」と述べられています。
これまで公開されたご一家の写真には、ペットと映っているものが多く、家族の一員として共に過ごさていることが伺えます。






























ご両親に教わり、スキーが得意な愛子さま
普段の過ごし方をお話しなった際には、ご家族で運動をされていることを明かされました。
「昔から体を動かすことが好きですので、父と一緒に敷地内をジョギングしたり、以前は家族3人でテニスをしたり、現在は新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底しつつ、職員とマスクを着用したままバドミントンやバレーボールをしたりすることもございます」
天皇皇后両陛下はおふたりともスキーがお好きで、愛子さまが誕生される前からスキーを楽しまれています。2005年には、長野県の奥志賀高原スキー場へご家族で訪問され、愛子さまに優しく丁寧に教えられた両陛下。その後、成長された愛子さまのスキーの腕前は上達し、難易度の高いコースを滑られています。








雅子さま「生まれてきてくれてありがとう」に「生んでくれてありがとう」
2002年4月2日、出産後、初めて開かれた会見で雅子さまは目に涙を浮かべながら「無事に出産できましたときには、ほっといたしますと同時に、初めて私の胸元に連れてこられる生まれたての子供の姿を見て、本当に生まれてきてありがとうという気持ちで一杯になりました」と述べられました。

20年越しに愛子さまがそのお言葉にこう返されました。
「両親にどのような言葉を伝えたいかという御質問でございますけれども、母の『生まれてきてくれてありがとう』という言葉に掛けて、私も『生んでくれてありがとう』と伝えたいと思います。また、これまで両親には様々な機会を与えていただいたり、私の成長を、愛情を持って温かく見守ってきていただいていて、そして、そういった両親の生活面で支えてくれているところなどにも深く感謝しておりますので、そのことについてお礼を伝えたいと思います」
この感動的な愛子さまの感謝のお言葉から、お二人の絆の深さがうかがえました。約30分に及んだ会見では、ほとんど原稿を見ずに、ユーモアなエピソードも披露しながら自然体でお気持ちを語られた愛子さま。最後には両親からのアドバイスがあったということも明かされました。
「なるべく具体的に自分の言葉で自分の思いを皆さんに知っていただけるように伝えたいと思って準備してまいりました。その準備に当たっては、両親から『もうちょっとこの言い方はこっちの方がいいんじゃないか』ですとか、そういうアドバイスを頂いたりしました。また、天皇陛下や皇后陛下、両親がその記者会見に臨んだ時の体験も踏まえて『こういうふうにすると緊張が少し和らぐよ』などのアドバイスをもらったりして、それを今、少し実践できているような気がいたします」
成年皇族として皇室行事や公務に臨まれ、4月から新社会人として、日本赤十字社に勤められる愛子さま。ご両親のアドバイスを参考に今後もご活躍されることでしょう。














