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《276種類の表情がある?》猫の感情は顔より耳やしっぽや鳴き声にあらわれる!怒りや不満のサインを獣医師が解説

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猫の感情は顔より耳やしっぽや鳴き声に表れがち!?怒りや不満のサインとは?(Ph/イメージマート)
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猫には276種類の表情がある――。昨年、米国でそのような研究成果が発表されると、日本でも話題になりました。猫には実際、どのような表情、しぐさがあるのでしょうか。知っておくと、猫と暮らしやすくなる猫の表情、しぐさについて獣医師の内山莉音さんに解説していただきました。

猫の気持ちは顔面より耳やしっぽに出る

「猫には276種類の表情がある」と発表したのは、米国の比較心理学者たちの研究チーム。2023年10月、学術誌「Science Direct」に論文が掲載されました。猫の顔の筋肉の動きをミリ秒レベルで解析した結果、276種類の表情があることを突き止めたのだとか。そのうち46%が友好的、37%が非友好的、17%がその両方に分類できるといいます。猫好きには、興味深い研究といえるでしょう。

しかし、猫の感情を雄弁に物語るのは、実は顔の表情以上に、しっぽの動きやしぐさ、鳴き声のほうかもしれないと、内山さんは言います。

「安心しているとき、満足しているときは目を閉じる、細める。怒ると『シャー』と歯を見せたり、耳を水平に寝かせたりする。猫の顔を見て分かる喜怒哀楽で、代表的なのはこの2つでしょうか。人間でいう笑顔のように頬がゆるんだり口角が上がったりというのは、私は猫と暮らしていて見たことがないです。顔というよりはしっぽや鳴き声から受け取れるサインのほうが多いように思いますね」(内山さん・以下同)

“怒り”や“不満”のサインを覚えて

猫は耳やしっぽを驚くほど器用に動かして、感情を表現したり、仲間とのコミュニケーションに使ったりします。その中で、私たちが特に覚えておくべきなのは、やはり“怒り”や“不満”のサインです。

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“怒り”や“不満”のサインは覚えて(Ph/イメージマート)
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「甘えてきているときは分かりやすいので飼い主さんも応えやすいと思います。ゴロゴロ言ったり、すりすりしてきたり、お腹を見せたり、足でこちらをもみ込むように“ふみふみ”してきたりするとき。スキンシップを楽しむチャンスです。

問題なのは怒っているときで、これが犬なら機嫌のいいサインだったりするのに猫の場合は怒りのサインというものもあります。特に猫を初めて飼う人、以前は犬を飼っていた人にとっては分かりにくいと思うので、覚えておきたいですね」

怒りのサインはしっぽバタバタ、イカ耳

では、猫が怒っているときのしぐさを確認しておきしましょう。

「しっぽを大きくバタバタ振るのは、イライラしているときのしぐさです。犬ならしっぽを大きく振るのはうれしいときなので、ご注意ください。ただし、猫がしっぽを大きく“ゆっくり”振っていたら、それはリラックスしている証拠。振るスピードで意味がまるで変わってきます」

怒りとは少し異なりますが、警戒しているとき、威嚇したいときは、しっぽをピンと立ててふくらませたりすることも。全身の毛が逆立つのは、恐怖心から来る警戒心、敵対心の表れ。頭を上げて腰を高くして体を大きく見せるのも、威嚇や攻撃の姿勢です。

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イカ耳は怒りのサイン(Ph/イメージマート)
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「怒りでいうと、先ほども言った耳を左右に引くような動きも当てはまります。イカのエンペラに似た形になるので、『イカ耳』と呼ばれています。犬なら耳を伏せるのは怖がっているときだと思うのですが、猫は耳の伏せ方が少なくとも2種類あって、イカ耳なら怒りのしるしで、もっと強く後ろに引いた場合が恐怖の表れです」

鳴き声で「シャーッ」「フーッ」と強く鳴く意図

鳴き声では、「シャーッ」「フーッ」と強く鳴くのは、自分のなわばりを侵されそう、侵されたと感じて相手を追い払いたいときが多いようです。

「口を閉じたまま、ウー、ンー、と低くうなり続けることもあります。これも警戒や威嚇ですね」

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