健康・医療

2か月で6kg減の医師が「本当にいい」とすすめるダイエット法 ポイントは「MCTオイル」「満腹フード」「間食」

血糖値を安定させ、体脂肪がつくのを防ぐ

MCTオイルには、血糖値を安定させる効果もある。齋藤さんによると、それは「MCTオイルが『インスリン抵抗性』を改善してくれるからだと考えられている」から。

インスリン抵抗性とは、内臓脂肪が増えることによって、糖を脳や筋肉に運ぶというインスリンの働きが悪くなり、血糖値が上昇してしまうこと。必要な場所に届けられなかった血中の糖は脂肪に変換され肥満の原因となるが、インスリン抵抗性が改善されることで、脂肪がつく原因の1つである食後血糖値の急上昇をやわらげる効果も期待できるのだ。

さらに血糖値を安定させることを狙うのが、間食をとることだ。空腹の時間が長く、血糖値が下がった状態で食事をすると血糖値は急上昇しやすくなる。それを防ぐために間食を食べることを、齋藤さんは「戦略的間食」と呼ぶ。

3時を示す時計
医師が推奨する「戦略的間食」とは?(Ph/photoAC)
写真6枚

「間食は、食後3〜4時間後にとるのがベスト。このあたりで、エネルギー源となる糖が体内で少なくなり、血糖値が下がった状態になります。ここで間食をとると、エネルギーと栄養補給ができ、血糖値をゆるやかに上昇させることができます」

ポイントは、そのタイミングで一度にとるのではなく、ちょこちょこ食べていくこと。食後3〜4時間後にとったら、そこからは空腹を感じた瞬間に少量を食べていくと血糖値を安定させるのに効果的です。

ちなみに、齋藤さんがおすすめする間食は、スープ(糖質が多くないもの)、茎わかめ(1日15g程度)、ミックスナッツ(1日70g程度まで)、カカオ70%以上の高カカオチョコレート(1日20〜25gまで)、バナナ(1本を1日5回くらいに分けて食べる)。

糖質を減らすのが苦にならない工夫で脂肪燃焼を効率化

とはいえ、糖質をいくらでも食べていいというわけではない。

「糖質はエネルギーに変わりやすくなるとはいえ、大量に摂れば、インスリンによって脂肪へと蓄えられます。つまり、糖質によって、脂肪はどんどん蓄えられ、その脂肪を脂肪燃焼回路が燃やしていくという状態になります」

極端な糖質制限はつらく続きにくく、リバウンドのリスクもある。そこで、齋藤さんは、できるだけ糖質を摂らない食生活をラクに続けられるかが大切だと話す。

そこで取り入れたいのが、「満腹フード」。糖質の多い主食を糖質以外のもので「カサ増し」したり、「置き換え」したりすることで、満足感をアップし、我慢やストレスを減らすことが期待できる。齋藤さんが教える「カサ増しフード」から、「ラク鶏ひき肉ご飯」の作り方を紹介します。

鶏ひき肉
ご飯のカサ増しに活用できる鶏ひき肉(Ph/photoAC)
写真6枚

「ラク鶏ひき肉ご飯」の作り方

《材料》(3〜4食分)
米…1合、鶏ひき肉…200g

《作り方》
【1】お米を洗い、水(分量外)をメモリ1合分まで入れる
【2】鶏ひき肉を炊飯器に入れ、通常通りに炊飯する
【3】炊き上がったら、しゃもじで鶏ひき肉と米を混ぜ合わせる
【4】3〜4回分に小分けにする。その日に食べない分は冷凍保存も可能

そのほか、玄米と白米が1:1の玄米ハーフご飯や、サラダチキン、パンを食べるならライ麦パンにするなど、糖質オフを無理なく続けられる自分にあった「満腹フード」を見つけてみよう。

◆教えてくれたのは:医師・齋藤真理子さん

白衣を着た女性
医師の齋藤真理子さん
写真6枚

さいとう・まりこ。医療法人社団山本メディカルセンター理事長。医学博士、日本整形外科学科専門医。分子栄養学認定医。昭和大学医学部大学院卒業。2010年に山本メディカルセンターに入職し、皮膚科・形成外科を立ち上げる。その後、2016年に山本メディカルセンター2代目院長に就任する。テレビに多数出演するほか、分子栄養学の観点からカフェレストランのメニューの考案も行う。https://www.tansanmagic-jp.com/adviser/marikosaito.html

●内臓脂肪が増えることの病気リスク 医師が教える対策のカギは「血糖値の安定」、3つの食事のコツとは?

●MCTオイルで痩せるワケ、そのダイエット効果は?簡単アレンジを内田理央が体験!

関連キーワード