筋力アップに効果的な食材
「高たんぱく」「低脂質」な食材を取り入れることも筋力アップに有効です。筋力アップのために必要とされるたんぱく質は、一般的に「自分の体重1kgにつき1g/1日」の摂取が望ましいとされていて、これは体重60kgの人であれば、1日あたり60gになります。
たんぱく質には「動物性たんぱく質(ホエイプロテイン)」と「植物性たんぱく質(ソイプロテイン)」の2つがあります。
消化や吸収がされやすく、効率的な筋肉の再生に欠かせない動物性たんぱく質は体に必要な必須アミノ酸をバランスよく含んだたんぱく質で、鶏ささみ、赤身肉、乳製品、卵などの動物性食品に多く含まれています。
一方、豆類、小麦製品などの植物性食品に多く含まれている植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質に比べて低脂質で、血圧やコレステロール、血糖値に好ましい変化が得られるといわれています。
動物性たんぱく質を含む食材を食べ過ぎると、肥満や生活習慣病の要因となる飽和脂肪酸やコレステロールが増える可能性があるため、健康的に筋力アップを目指すためには、2種類のたんぱく質をバランスよく摂ることが大切です。
筋力アップには漢方薬も役立つ
運動や食事に気をつけることが続かない、という人には筋力アップを補助する漢方薬もあります。つまずきの原因である筋力の低下は、栄養が体に十分に行き渡らなかったり運動量が低下したりして筋肉量が減少することで起こるものです。
漢方薬は血行をよくして体に栄養を届ける機能を促進し、さらに体に活力を与えて活動的にすることで筋肉量の減少および筋力低下を抑制、改善する効果が期待できます。
つまずき防止につながる漢方薬としては、「血行をよくして全身の筋肉に栄養を届け、筋肉の機能を回復させる」「加齢による足腰の衰えを補う」といった働きのあるものを選びます。
もちろん、運動やたんぱく質を意識した食事と一緒に取り入れることで、より効率的に筋力アップが期待できます。
おすすめの漢方薬
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
冷え症で、体力がなく、貧血のある人に向いている漢方薬です。「気」(エネルギー)や「血(けつ)」(栄養)を補い、疲労倦怠や虚弱体質に働きかけ、体に活力を与えることで、元気を取り戻すサポートをしてくれます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
血行をよくして体を温める効果が期待できる漢方薬で、体が冷えて疲れやすい人におすすめです。加齢による下半身の衰えに用いられます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:ヨガインストラクター・高橋かなこさん
たかはし・かなこ。RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクター。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスンを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食と思考が大切だと痛感し、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp)などで精力的に情報発信を行っている。