「春眠暁を覚えず」とはいうものの、年を重ねるにつれぐっすり眠れなくなった…という人もいるのではないでしょうか。質のよい眠りを得るために、規則正しい生活を送るようにすることは大事です。でも、それでもどうしても改善できない場合は、アイテムに頼るのも一つの手。家電ライターの田中真紀子さんに、快眠を促す“最強家電”を教えてもらいました。
朝の日差しでスッキリ目覚めさせてくれるアイテムも
スムーズに入眠でき、朝までぐっすり――そんな快眠をサポートするアイテムには、どのようなものがあるのでしょうか。一つは、“光”に関係するものです。
「例えば、朝は自動でカーテンが開き、日差しとともに目覚められるスマート機器や、時間によって明るさや色温度、つまり太陽光や自然光、LEDライトなどの光の色のあたたかみを変えられる照明などがあります」(田中さん・以下同)
こうしたアイテムは、「体内時計に着目していることが大きな特徴」だと、田中さん。
「地球環境が24時間周期で回っているのに対し、人の体内時計は24時間より長いため、外界の明暗周期に一致させるシステムがあるそう。具体的には朝、太陽の光を浴びることで睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、14~15時間後に分泌が始まります。つまり朝の光を浴びることが、目覚めの合図になり、夜に眠くなるということ。快眠をサポートするアイテムは、この外界の明暗に合わせて体内時計を整えるメカニズムを利用したものになります。
そのひとつ、カーテンが自動開閉するアイテムは、ベッドの近くのカーテンにセットし、起きたい時間か、少し前にセットしておきます。時間になったら自動でカーテンが開くので朝日を浴びることができ、目覚まし時計だけで起きるより自然に目覚めることができると言われています。
また外界の太陽光にあわせて明るさと色温度を変えられる照明は、今はシーリングライトでも多数登場しています。中には、自動で光が変わっていくタイプもありますが、ライフスタイルに合わない場合もありますので、手動でもいいかもしれません」
呼吸をうまく使うことでスムーズな入眠に
夜の寝つきに着目した家電もあります。
「人は日中、活動するときは緊張感や興奮した状態になりやすい交感神経が優位になり、休息時は副交感神経が優位になってリラックスした状態に。睡眠前に副交感神経を優位にするためには、ぬるめの風呂にはいる、深呼吸する、リラックスできるアロマの香りを嗅ぐといった方法がすすめられており、これらをサポートする家電も多数登場しています。
深呼吸をサポートする家電には、クッションやぬいぐるみが呼吸リズムに合わせて膨らんだり縮んだりするものがユニーク。抱きしめた状態で、同じタイミングで呼吸することで、自然と深呼吸できるようになるというものです。ほか、耳や目元、手や足などのパーツを温めることでも、ぬるま湯に浸かっているようなリラックス感が得られ、睡眠に導くとして注目されているアイテムもあります」
朝、自動でカーテンを開けてくれる機器、深呼吸をサポートする家電は、以下の製品です。