国産も多く流通するようになった、トロピカルフルーツのマンゴー。フィリピン産やメキシコ産などの輸入物は通年出回りますが、国産マンゴーは今が旬です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「マンゴーには女性にとってうれしい、アンチエイジング効果や美肌へ導く栄養素がたっぷり。お腹にいい効果もありますよ」と話します。マンゴーに含まれる栄養素と、意外と知らない豆知識を詳しく教えていただきました。
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女性にうれしいアンチエイジングや美肌効果豊富
マンゴーは、抗酸化作用や新陳代謝を高める働きをもつ栄養素が豊富です。どんな効果が期待できるのか、詳しく解説します。
抗酸化作用でアンチエイジングに◎
マンゴーは、β-カロテンが豊富なフルーツです。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されて、肌のターンオーバーを促したり、シミの予防や改善効果を高めたりします。さらに、抗酸化作用もあってアンチエイジング効果が期待できます。ちなみに、青いうちはビタミンCが多く含まれていますが、熟すにつれてβ-カロテンの量が増えると言われています。
さらに、強い抗酸化作用をもつビタミンEも含まれています。これは、女性ホルモンの分泌を調整したり、女性ホルモンの代謝に関わったりするビタミンで、更年期の症状を緩和する効果も期待されています。
美肌へ導く栄養素もたっぷり!
マンゴーに豊富なビタミンCには免疫力アップの働きや抗酸化作用があります。風邪予防の効果も期待できるので、季節の変わり目で体調が悪くなりがちな今の時期に摂っておきたい栄養素といえます。また、シミ予防や肌の弾力アップなど美肌にも効果的です。
造血作用や血流の促進作用により、脳梗塞や動脈硬化のリスクを減らすとともに、冷えや生理痛の緩和に効果がある葉酸も含まれています。新陳代謝を高める働きがあることから、肌のターンオーバーを促すので、美肌へと導いてくれます。
食物繊維や消化酵素でおなかにも◎
マンゴーはコレステロールを吸着して体の外に排出したり、食後の血糖値の上昇を抑えたりする作用のある水溶性食物繊維と、腸のぜん動運動を促し排便をスムーズにする作用のある不溶性食物繊維のどちらも含んでいます。腸内環境を整えるために必要な栄養素です。
さらに、プロテアーゼと呼ばれるたんぱく質分解酵素がたんぱく質をアミノ酸に分解し、消化吸収を助けます。そのため、お肉料理でもたれやすい人は一緒にマンゴーを食べるのもおすすめです。動物由来のものと比べ、植物由来の酵素は胃の中での強い酸性環境に耐えることができるといわれています。
味がイマイチなマンゴーの食べ方など便利な豆知識
最後に、よりマンゴーに詳しくなれる豆知識と、味がイマイチなものにあたってしまったときの食べ方を紹介します。
国産マンゴーのブランド「太陽のタマゴ」とは?
宮崎マンゴーの最高峰は、言わずと知れた「太陽のタマゴ」です。人気ブランドの「太陽のタマゴ」は、糖度15度以上、重さ350g以上という厳しい基準を満たしたものだけが販売されます。
完熟にこだわり、樹上で熟し自然に落果したものだけをネット袋でキャッチし収穫しているのだそうです。大切に育てられたものなのでお値段は少し張りますが、一度は食べてみたい品種です。
食べてみたら口に合わない…そんなときは?
「太陽のタマゴ」などの高価なブランドがある一方で、手に取りやすい価格のマンゴーももちろんおいしいです。しかし中には、食べてみると口に合わないときもありますよね。
そんなときは、スムージーにしたり、ヨーグルトに入れたり、ミキサーにかけてソースやジャムにするなどアレンジしてみましょう。干したり、オーブンなどで乾燥させたりするのもおすすめです。水分が抜けて、うまみや甘みが凝縮されますし、生とはまた違った食感や味わいが楽しめます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ