気象庁の発表(4月11日)によると、4月13日から5月12日までの1か月の気温は、全国的に平均より高く、特に4月下旬まではかなり高い見込みとのこと。春の陽気を感じる日々もつかの間、冷房をつける日は近いかもしれません。そこで今のうちにやっておきたいのが、エアコンの「試運転」だと、家電ライターの田中真紀子さんは話します。なぜ、いつから、どのように「試運転」をした方がいいのか、解説してもらいました。
試運転をした方がいい理由
田中さんは、「エアコンの冷房をつけるなら、ぜひ6月上旬までに“試運転”をしてほしい」といいます。その理由は?
「夏本番を迎える前に試運転をしておくと、不具合があったとき、速やかに対処してもらいやすいからです。
ダイキンによると、例年6月からエアコンの相談件数が増え始め、7~8月には4~5月の約3倍と、ピークを迎えます。本格的に暑くなって初めてエアコンをつけ、不具合に気づいても、その頃にはエアコン修理や取り付け工事が混み合っている可能性があります。
実際、パナソニックの調査では、6~8月にエアコンを購入した人の3割、修理した人の2割が、発注から使用できるようになるまでに2週間以上かかったとのこと。すると、その間冷房なしで過ごすことになりかねません」(田中さん・以下同)
冬にエアコンを使わなかった人は早めに試運転を
とくに気をつけたいのは、この冬、エアコンを使わなかったケース。地域によっては、電気代節約などのため、エアコンを使わず他の暖房器具でしのいだ人もいるのではないでしょうか。
「冬場に暖房として使用しなかったということは、エアコンを半年近く稼働していないことも考えられます。エアコン内部のカビは、主に冷房運転による結露によって発生します。暖房を使っていなかった場合、内部を乾燥させる機会がなかった可能性もあるので、早めに試運転をし、併せてお手入れも行ったほうが安心です。
もちろん、冬場に使っていた人でも、念のため試運転は行いましょう。なかには、冬の暖房運転は問題なくできたけれど、夏に冷房運転をしてみたら問題があったケースもあるからです」
試運転に最適な日の気温は「23~25℃」
では、試運転は具体的にいつ行うとよいのでしょうか。
「ダイキンによると、試運転時に最も適しているのは、気温が23℃から25℃のとき。20℃以下だと冷房運転が作動しなかったり、すぐに止まってしまうため不向きですし、26℃以上だと熱中症が心配されますので、急いで行う必要があります。ダイキンが『夏のエアコン試運転前線』として、地域によって試運転に適した時期の目安を提案していますので、参考にするといいですね」
試運転のやり方とチェックポイント
試運転を行う手順は、メーカーによって多少異なりますが、一例として以下の方法があります。
「まず、電源プラグやコンセント周りにホコリが溜まっていると発火の原因になるので、久しぶりに使う場合はホコリの有無を確認し、ホコリを払ってから電源を入れます。そして運転モードを『冷房』にして、温度を最低温度(16~18℃)に設定。10分程度冷房運転をしてみてください。
その際チェックしたいのが、異音がしないか、風がにおわないか、風が出なかったり、すぐ止まったりしないか、水漏れがないかといったこと。これらの症状を確認した場合、取扱説明書を確認のうえ、お手入れなど自分で対処できる範囲か確認しましょう。対処できない場合は修理窓口に問い合わせてください」
自分で対処できる範囲のお手入れとは、たとえばフィルターやダストボックスのホコリの除去。
「フィルターについたホコリは、水洗いか掃除機で吸い取り、汚れがひどければ中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、軽く水を切って日陰で良く乾かしましょう。また、自動お掃除機能つきエアコンの場合は、ダストボックスに溜まったホコリの除去を忘れずに。
ただし、熱交換器についた汚れは、業者に任せましょう」
エアコンのお手入れは、オンシーズン中2週間に1回などこまめに行えば、汚れも溜まりにくいもの。お手入れがなかなかできない人は、自動お掃除付きエアコンや、次の2点のような、お手入れがしやすい構造のエアコンを選ぶのも手です。