健康・医療

効く?効かない?予防医学の権威が「健康に痩せる」ダイエットを格付け

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【食べない系01】プチ断食ダイエット

〈食べない系〉に分類される代表的なダイエット法「プチ断食」の格付けも1点と低評価。プチ断食とは、1日だけ食事をまったく摂らない日を定期的に設けるやり方だ。

「断食系ダイエットの効果が説明される時に必ずセットで出てくるのが、体に溜まった毒素を排出するという意味の『デトックス』という言葉です。断食することで毒素が便や尿として体外に出るなどと謳っているのですが、そもそも人間の体内は絶え間なく動き続けており、毒素が溜まることはない。

むしろ断食によって24時間の生体リズムが崩れることから、病気にかかりやすくなります。人間の体は毎日一定のリズムで寝たり起きたり食べたりすることで、最も健康が保たれるようにできています。そもそもたった一日の断食で痩せる体質になどなりません」

次に続く「低炭水化物ダイエット」や「グルテンフリー」など、「食べない系」への評価は概ね辛口である。

【食べない系02】「低炭水化物ダイエット」は、逆に太る?

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米やパン、麺類などの炭水化物を摂取しないようにする「低炭水化物ダイエット」は、2000年代にアメリカでブームに。最近は日本でも、飲食店が“麺なしちゃんぽん”や、パンの代わりにレタスで具材を挟んだハンバーガーをメニューに取り入れるなど、幅広く実践できるようになった。

だが、岡田さんの格付けは3点。”要注意ダイエット”の代表例として挙げている。

「低炭水化物ダイエット」は、炭水化物を抜きさえすれば、肉や揚げ物などでお腹を満たしても太らないという気になっている人も多い。そんな考え方に対して、岡田さんは警鐘を鳴らしている。

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「低炭水化物ダイエットの効果と安全性については、世界中で多くの調査がされてきました。13年には、低炭水化物ダイエットを長期間続けた人は普通の食事をしてきた人に比べ、総死亡率が1.3倍も高かったという論文が発表されています」

そうしたリスクも承知した上で、岡田さんはこう言う。

「低炭水化物ダイエットは、短期的に痩せる効果が高いことは確かです。私も緊急に減量が必要な患者さんには、炭水化物を1日1食分抜いてもらうよう指導することがあります。

しかしそれも半年以上は続けません。たんぱく質と脂肪、炭水化物の三大栄養素は、バランスよく摂取することが大事。(炭水化物の代わりに増やす)脂肪は、摂りすぎれば当然太るので逆効果にもなり得ます」

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