手頃な値段の商品や今では市場にない商品を購入できて便利なフリマアプリだが、使い方次第では損をしたり、思わぬトラブルに巻き込まれてしまったりすることもある。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、フリマアプリでの商品の購入で押さえておくべきポイントについて教えてもらった。
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フリマアプリでの購入を避けるべきもの
「メルカリ」、「Yahoo!フリマ」、「ラクマ」など、アプリ1つで簡単に個人間で物の取引が可能なフリマアプリ(フリーマーケットアプリ)は今や一大マーケットとなっています。さまざまな物が安く買える非常に便利なサービスですが、個人間での取引だからこその注意点もあります。
フリマアプリで購入を避けたほうがよい物の筆頭はブランド物です。写真だけでは真偽の判別が難しく、偽物を購入してしまう可能性があります。
偽物だった場合は返品すればよい、と思うかもしれませんが、偽物であることを承知したうえで販売しているような悪質な出品者だった場合、何かと理由を付けて返品や返金に応じてもらえない可能性も高いです。一方、本物であったとしても、写真では気付かなかった部分が壊れていたり、ダメージがあったりすることもあります。
ブランド物に限らず、パソコンや家電製品など出品写真が公式画像の転載のみだった場合は、想定していたものと大きく異なる状態の商品が送られてくる可能性もあるので要注意です。どうしても購入したい場合には実物の画像を掲載してもらうなど、納得できるまでやり取りをしましょう。
転売品だとわかるものはNG
供給量が少ないものを買い占めて、定価より高い価格で販売する「転売」も問題にたびたびなりますが、現在も転売品と思われる出品は多くあります。同じ商品を高値で複数販売している人は転売の可能性があるため、購入は避けるようにしましょう。欲しいものを見つけた際に多少高くても買いたくなる気持ちもわかりますが、購入すると転売をする人の利益になり、ますます転売が増えることになります。
また、転売品に「売り切れ」の表示が付いていると、「他の人も買っているから」と気が緩みやすくなりますが、転売をする人たちの仲間内でサクラとして購入している場合もあります。他の商品に「売り切れ」表示が付いていても、転売品の購入はよくないことという意識を持ち、購入はやめましょう。
保存環境がわからない食品類
フリマアプリでは介護食品や子供用の食品など食糧品の販売も多くありますが、保存環境もわからず、劣化している可能性も否定できません。そのため、購入は避けたほうが無難です。
開封済みの化粧品は中身入れ替えのリスク
肌に合わなかったという理由などで、化粧品を販売している人もいますが、こちらも注意が必要です。
ほとんど使われていないものが安く売られているとお得に感じますが、パッケージだけ正規品で中身がまったく別物の場合もあります。正規品か判断できない開封済みのものや、残量がわからない中身の見えないボトルタイプのものは、とくに避けたほうがいいでしょう。
中身の入れ替えが難しいパウチ系や、状態が見える粉ものなどであれば許容範囲と言えますが、保存環境まではわからないことを念頭におきましょう。しっかりと写真で状態をチェックしたり、コメント機能で質問したり、信頼できると思える出品者から購入するようにしましょう。
書籍類は切り取りや書き込みに注意
推しのページなど雑誌の1部分だけを切り取って残った誌面を販売するなど、書籍類は中身が一部切り取られていることもあります。承知したうえで購入する分には問題ありませんが、自分が読みたいページがちゃんとあるか確認しましょう。
また、商品の状態が「良い」という表示になっていても、中に折り目や書き込みがある場合もあります。商品の状態の判断は人それぞれのため、きれいな状態のものを希望する場合は避けたほうが無難です。
家電やゲームは中身が正規か要確認
家電やゲームなどは空箱や空パッケージだけを、さも中身があるかのように販売していることもあるので注意が必要です。届いた後、中身を確認しないまま受け取り評価をしないように気をつけましょう。
また、ゲームソフトなどは正規品のパッケージに偽物のソフトを入れられていることもあります。偽物のソフトをゲーム機に差すとゲーム機自体が壊れてしまったり、公式の修理対象から外れてしまったりすることもあるので、安すぎるものには注意し、購入した場合も見た目に違和感がないかしっかりとチェックしてから使うようにしましょう。