通年出回り、最近は冷凍食品でも見かけるようになったブルーベリー。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、暖かくなってきた4月頃から出荷量が増え、6〜8月に旬のピークを迎えるという。旬のブルーベリーについて、福島さんからおいしいものの見分け方のポイントと保存の仕方を教えてもらった。
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ブルーベリーの選び方|粒・大きさ・ブルームを確認
パック売りされていることが多いですが、6月中旬ごろからブルーベリー狩りも盛んになります。ブルーベリーはどれも同じように見えがちですが、おいしいものを見分けるポイントがあります。
おいしいブルーベリーの見極めは色と大きさ
ブルーベリーを選ぶときは、まず色味を確認しましょう。色が濃く鮮やかで、ハリのあるものが新鮮で甘みが強いです。粒の色が濃くなっていても、軸の付け根が赤いものはまだ酸味が残っているので、全体がしっかり色づいているかよくチェックしてください。また、果皮にシワがあったり、やわらかくなっているものは鮮度が落ちているので避けましょう。
実の大きさは品種によって違いがあるものの、個体差としては粒が大きいものを選ぶのがよいです。ブルーベリーは色づいた後にさらにひと回り大きく成長するフルーツなので、大粒だと完熟しているサインです。特に旬の時期は粒が大きくなる傾向にあります。
白い粉=ブルームは新鮮なサイン!食べてもOK
ぶどうと同様に、ブルーベリーにはブルームと呼ばれる白い粉がついていることがあります。汚れと勘違いして避けてしまう人も多いのですが、これは表面を保護して水分の蒸発を防ぐ働きがある成分で、ブルームがついているものは収穫したての新鮮な証拠なんです。
ちなみに、ブルームは果実から分泌されるものなので、そのまま食べてOKです。気になる人は水洗いして落としましょう。
足がはやいブルーベリーの正しい冷蔵保存&長期保存法
ブルーベリーは収穫されてから時間が経つにつれて風味が落ちるため、できるだけ早めに食べましょう。乾燥と水気が大敵なので、保存のコツはこの2つを避けることです。
乾燥と水気を避けるブルーベリーの保存の仕方
ブルーベリーは常温で置いておくと鮮度の低下が早まるので、パックのまま野菜室へ。傷んだブルーベリーがひと粒でもあると、腐敗した果汁がほかの実に付いて傷みがどんどん広がってしまうため、よく確認して、傷んだ粒がもしあれば取り除いておきます。粒が濡れているとカビの原因になるので、結露があれば拭き取っておきましょう。
冷蔵庫に何日も置くと、乾燥してみずみずしさが失われるので、すぐに食べられない場合はキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、乾燥を防ぎましょう。水洗いすると皮が破れてしまったり、水分が残った箇所から腐敗したりすることがあるので、冷蔵保存の際は水洗いは不要。食べる直前に洗いましょう。遅くとも1週間以内に食べきることをおすすめします。
長期保存なら冷凍やジャム、ソースに!
ブルーベリー狩りなどで大量に手に入り、早めに食べきれないときは、冷凍保存するのもおすすめです。そのまま冷凍してもいいですし、水洗いをするならばしっかりと水気を拭き取り、ラップで包んでから保存袋へ。水気が残ると霜の原因となりますので、よく拭き取りましょう。保存期間の目安は半年程度です。
ブルーベリーを冷凍すると細胞組織が損傷されるので、アントシアニンなど多くの栄養素を体に取り入れやすくなるメリットもあります。
また、冷凍だけでなく、長期間の保存ならジャムやソースに加工してもいいでしょう。ジャムは少ない量であれば、フォークなどでつぶしてから好みで砂糖やレモン汁を入れて、様子を見ながらレンジ加熱すれば手軽にできます。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ