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《野菜のプロが解説》名前は似ているけれどまったくの別物「エシャロット」と「エシャレット」の違いって?

らっきょう漬け
旬を迎えたらっきょうに含まれる栄養素とは?(Ph/photoAC)
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古代の医学書にも取り上げられるほど薬効が高いことから、「畑の薬」と呼ばれるらっきょうの旬は5〜7月。「らっきょうは栄養がたっぷりで、健康や疲労回復に効果が期待できます」と話す野菜ソムリエプロの福島玲子さんに、詳しい栄養素と豆知識を教えてもらった。

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夏の疲労や肌トラブルに効くらっきょうの栄養素

ぴりっとした風味が食欲をそそるらっきょうは、夏の疲れや肌トラブルを解消する栄養がたっぷり。どんな栄養素を含むのか、詳しく説明します。

アリシンが夏バテ改善に効果的!

らっきょうには独特の香りがありますが、それはアリシンという栄養によるものです。にんにくやねぎなどにも含まれるアリシンは、殺菌作用や免疫力アップ効果があるうえに、内臓の働きを活発にし、食欲不振を解消することで夏バテ改善の効果も期待できます。また、血行をよくして体を温めたり、ビタミンB1の吸収を促進したりと疲労回復につながる働きもあります。

生のらっきょう
夏バテにも効果が期待できる栄養素を含むらっきょう(Ph/photoAC)
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美容に有効な栄養素も含むらっきょう

日焼けしがちな暑い季節に必須なビタミンCが、らっきょうには豊富。ビタミンCには、肌トラブルの解決やシミやくすみの原因となるメラニン色素を還元する働きがあり、抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待できます。

さらに、むくみの解消に役立つカリウムも入っているので、美容の面でもらっきょうはおすすめの野菜です。

また、フルクタンと呼ばれる水溶性食物繊維を多く含み、食後の血糖値の上昇をおだやかにします。さらに、フルクタンはカルシウムや鉄などのミネラルの吸収を促進するほか、便通の改善にも効果的なので、ダイエット中の人には特にうれしい栄養素です。

らっきょうの豆知識|エシャレットとエシャロットの違い

最後に、らっきょうが東洋医学の観点でも健康によいとされている理由や、混同されがちなエシャレットとエシャロットの違いについて解説します。

らっきょうを茎まで食べる東洋医学の考え方

新鮮ならっきょうは、茎を食べるのもおいしいです。外側をむいてから、炒め物や肉巻きに活用できます。茎を乾燥させたものは「薤白(がいはく)」と呼ばれる生薬になるほど栄養が豊富なため、余すことなく食べることをおすすめします。

かつお節をかけたらっきょうの茎
生らっきょうは茎まで食べるのがおすすめ(Ph/photoAC)
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ちなみに、梅雨から夏にかけては湿度が高くなる季節。体もその影響を受けて水分代謝が滞り、体が重くなったりむくんだりと、東洋医学で“水毒”と呼ばれる、体に悪影響がある水分がたまることがあります。

“水毒”によって夏バテも起こり得るものの、らっきょうの“散結”という薬膳効果が水分代謝を解消し、体の冷えを改善すると言われています。東洋医学の観点でも、らっきょうは体によいのです。

エシャレットとエシャロットの違いは?

名前が一文字しか変わらない「エシャロット」と「エシャレット」ですが、実はまったく違う野菜です。

エシャロットは、玉ねぎの一種です。小ぶりの玉ねぎのような見た目で、日本国内ではほぼ栽培されておらず、市場に出回るのはほとんどが輸入品です。ソースの材料のほか、香味野菜としてアクセントや風味づけに使われます。

ざるに入ったエシャロット
「エシャレット」と混同されがちな「エシャロット」(Ph/photoAC)
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エシャレットは若いうちに収穫したらっきょうを指し、土寄せして栽培し実がかたくなる前に収穫されたもので、別名は根らっきょうです。

1950年代頃にはエシャロットという呼び名で市場に出回りはじめましたが、本来のエシャロットが流通するようになり、混同されることからエシャレットに改名されたといわれています。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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