夏の頭痛解消に役立つ食材
夏の頭痛解消には、「マグネシウム」と「ビタミンB2」を多く含む食材がおすすめです。
マグネシウムには血管の緊張を和らげる効果があり、血行不良の改善が期待できます。また、頭痛には細胞内でのエネルギー生成に関わるミトコンドリアの機能に問題が生じていることが関係していると考えられています。エネルギーの生産や細胞の再生を助ける働きをするビタミンB2を摂取することで、ミトコンドリアの機能をサポートし、頭痛の頻度や時間の減少が期待できるでしょう。
夏に旬を迎える食材であれば、マグネシウムはさやいんげんやみょうがに、ビタミンB2はモロヘイヤや大葉、とうもろこしなどに多く含まれています。
これらのマグネシウムやビタミンB2が豊富な食材は、夏に食べる機会が増えるそうめんやそばなどの冷たい麺類と合わせやすいため、薬味にしたり、付け合わせのてんぷらにしたりして積極的に食べましょう。
なお、上記の食材のなかでも、とうもろこしは鮮度が落ちやすいので、栄養が減ったり、味が落ちたりするのを防ぐために、早めにゆでたり蒸したりして保存しましょう。
夏の頭痛解消には漢方薬も役立つ
夏の頭痛には、「水分の循環をよくして、血行を改善し頭痛を解消する」「体を温めて冷えを取り除く」といった作用のある漢方薬も役立ちます。
おすすめの漢方薬
・五苓散(ごれいさん)
水分代謝をよくすることで体にたまった余分な水分を排出するとともに、気圧の変動による血管の拡張を抑制します。頭痛やむくみ、吐き気などに用いられる漢方薬です。
・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
体内で滞った水分を排出して冷えを取り除き、体を温めて頭痛を防ぎます。習慣的な頭痛や吐き気を伴う偏頭痛などに用いられる漢方薬です。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。