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《美肌に役立つ「美容成分」の気になる疑問》「配合量が多い方がいい?」「同じ成分の商品ならどう選ぶ?」に美容のプロが回答

化粧品のキャップ部分が円を描くように置いてある
効果的な成分であっても、使い方を間違えていては本末転倒(Ph/イメージマート)
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美肌に役立つなどの理由で注目が集まる美容成分。効果的な成分であっても、使い方を間違えていては本末転倒。30年以上にわたって多くの医師をはじめ、コスメメーカーの研究者などに取材を続ける美容エディターの藤井優美さんに、美容成分に関する気になる疑問に答えてもらった。

Q1.美容成分を取り入れる際に注意することは?

A1. ビタミンC、レチノールはサポート成分に注目を!

「ビタミンCとレチノールは、高濃度の方が効果が高いといわれていますが、肌への負担になることも。どちらもまずは低濃度なもの、保湿や抗炎症作用のある成分と組み合わされているものがおすすめです。また、レチノールは肌表面をなめらかに整える効果があるので角質ケアとは併用しないで」(藤井さん・以下同)

Q2.やっぱり価格が高い方がいいの?

化粧品が3つ立ててある
やはり高級な化粧品ほど効果も高いのか?(Ph/イメージマート)
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A1. NO!でも、同じ成分でも製造過程によって変わる

「たとえば、ビタミンC。原材料としては珍しいものではありませんが、これを安定化し、効果を追求するとなると研究開発費がかさみ、その分、価格に反映されます。また、同じ美容成分でも原材料のランクによって価格に違いが出ますし、製造過程の手間によっても変わります」

Q3.同じ成分の商品なら、何を基準に選べばいいの?

A3. ご自身のスキンケアに取り入れやすいアイテムを選んで

「水に溶ける“水溶性”の美容成分の場合、洗顔料から化粧水、クリーム、シートマスクなどとアイテムがたくさんあるため、ご自身が毎日欠かさず使えるアイテムのものを選んでください。肌への効果を感じるには、早い人で2週間、基本は1か月~1か月半使い続けるのが理想なので、『価格的に毎日使える』『使っていて気持ちがいい』を基準にしてもOK」

Q4.同じ成分なのに医薬部外品のものとないものがあるのはなぜ?

ビーカーなどに水色や透明の液体が入っている
よく目にする「医薬部外品」とは?(Ph/イメージマート)
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A.4 効果効能が承認されているものが医薬部外品

「美白やしわ改善、肌荒れ改善など、一定の効果が認められている成分(有効成分と表現)を規定量配合し、効果や安全性が認められたものが、厚生労働省より『医薬部外品』と位置づけられ、一般的な化粧品と区別されます。医薬部外品は、規定量や一緒に配合できる成分に決まりがあるので、効果を追求するためにあえて化粧品で、というものもあります」

Q5.あれもこれも気になる~!どうやって成分を選んだらいい?

A5. いちばん気になる肌悩みとサポート成分をチェック

「肌悩みに順位をつけ、1位の肌悩みに合うものをまずはセレクト。化粧品は、メインの美容成分のサポートをするほか美容成分も一緒に配合されていることがほとんど。特に細胞の機能を活性化するナイアシンアミドはサポート成分としてよく配合されています」

Q6.美容成分は配合量が多い方が効果が高いの?

A6. 成分によるが、配合量に惑わされないで!

「成分やアイテムにもよりますが、化粧品に配合されている美容成分の配合量は0.01~0.1%のレベルでも効果や感触が変わってきます。そのため、配合量1%というだけでも実は高配合だったりします。美容成分は少量でも充分な作用を発揮できるもの。それよりもどう配合するのか、何と組み合わせるのか処方技術の方が大事。配合量だけが美容成分の効果ではないのです」

◆教えてくれたのは:美容エディター・藤井優美さん

美容エディターの藤井優美さん
美容エディターの藤井優美さん
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エステティシャンを経て、美容の編集に携わること約30年。美容専門誌をはじめ、多くの女性誌、WEBなどで記事を執筆。編集プロダクション「dis-moi」主宰。

取材・文/dis-moi

※女性セブン2024年7月11・18日号