ボディケア

進化する「家庭用脱毛器」、サロンやクリニックの脱毛との違いは? 家電ライターが解説

腕に脱毛器を当てている女性の手元
いつでも気軽にお手入れができる家庭用脱毛器が進化している(Ph/イメージマート)
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夏になり、二の腕など肌の露出部分が増えてきたこの季節。毛のお手入れが気になる人もいるだろう。だが、脱毛ができるサロンや医療機関は予約を取り定期的に通わなければならず、費用もかかる。そこで役立つのが、家庭でいつでも気軽にお手入れができる美容器具だ。美容家電に詳しい家電ライターの田中真紀子さんが、その選び方などを解説してくれた。

今の主流は光照射で毛を生えにくくする「光脱毛器」(光美容器)

今の家庭用脱毛器の種類は、大別して光脱毛器とレーザー脱毛器の2つだという。それぞれどのようなことができるのか。

「光脱毛器とレーザー脱毛器、どちらも脱毛の原理は同じです。黒い色素に反応する特殊な光を当て、熱エネルギーを毛根に伝えてダメージを与えるというものです。毛が生えにくくなるため、脱毛したような状態が長く続きますが、修復されればまた生えてくるので、厳密には『脱毛』とはいえません。

そのためメーカーも『減毛』『抑毛』などの聞きなじみのない言葉を使ったり、『毛が目立たなくなる』といった表現をしています。メーカーが『脱毛器』と呼べるのは、毛を抜くタイプの家電などで、いわゆる毛が生えてこない状態を期待する脱毛器のことは『光美容器』と呼ぶことが多いです。

この光を広範囲に当てるのが『光脱毛器』(光美容器)で、毛1本1本に当てるのが『レーザー脱毛器』。レーザータイプのほうがパワーが強いため効果を実感しやすいとされていますが、時間がかかるうえに痛みも感じやすいため、今は光脱毛器が主流です」(田中さん・以下同)

永久脱毛のフォローとして家庭用光脱毛器を使う人も

では、サロンや医療機関で行う脱毛と、家庭用光脱毛器を使って自分で行う脱毛、何が違う?

ヤーマンの脱毛器本体とアタッチメントとコード
ヤーマン トウキョウ ジャパン『レイボーテヴィーナス ビューティープラス』は、。顔や体のほか、VIOや男性の胸毛、ヒゲなどにも対応
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永久脱毛ができるのは医療機関

「いわゆる『永久脱毛』の施術ができるのがクリニックで行う脱毛です。クリニックでは出力の高いレーザー脱毛器を扱えるため、永久脱毛が可能なのです。時間はかかりますが医師または看護師が行ってくれるので、家庭用レーザーより楽で確実です。

ただし永久脱毛といっても、毛が生えてくる可能性はゼロではありませんので、その場合に備えて家庭用光脱毛器で用意する人も多いようです」

サロンでは手が届きにくい背中などをケア

一方、脱毛サロンで行うのは光脱毛器による脱毛であり、永久脱毛ではないという。

ブラウン『ブラウンスキンアイエキスパート PL-7263』とスマホ5台
ブラウン『ブラウンスキンアイエキスパート PL-7263』は、AIを搭載し、学習するスマート光美容器
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「永久脱毛は医療行為にあたるため、脱毛サロンで行うことはできません。サロンで行っているのは、使用する機器によって違いはあるものの、家庭用と同じ光脱毛器による脱毛です。

自分で行う場合と何が違うかというと、手が届きにくい背中のケアをしてもらえたり、お肌のケアをしてもらえるなど、専門店ならではの施術ができる点でしょう」

光脱毛器を選ぶポイント

もし医療機関やサロンに頼らず、自分でケアをしたいなら、光脱毛器はどう選んだらよいだろうか。

痛みを感じにくく冷却ケアができるものも

「最近増えてきたと感じるのは、照射口に冷却プレートを搭載しているものです。光脱毛器は、光を当てることで毛根にダメージを与えていますが、出力の高さや人によっては痛みを感じたり、肌が火照ることがあります。そこで、フラッシュしたあとは、冷やすケアを行うとよいとされていますが、照射口自体が冷たくなるタイプなら、痛み(熱さ)を感じにくく、冷却ケアも同時に行うことが可能です」

ハイパワーなコードレスタイプ

使い勝手でいえば、コードレスタイプや防水タイプにも注目だ。

「コードレスタイプは従来、出力が弱くなるため少なかったですが、最近はハイパワーでもコードレスというものが増えてきました。光脱毛器は全身に使うため、コードが邪魔になることもあります。その点、コードレスなら気にせず使えるのでおすすめです。

また、数は少ないですが防水タイプも便利。光脱毛器でVIOのケアをしたいときなどは、やはり浴室で行いたい人も多いでしょう。防水タイプであれば、お風呂にはいったついでにケアができるので家族などの目を気にすることなく使えます。さらに最近は、AIを搭載し、ケアのプランを設計してくれることで、サロンに通っているように計画的に使用できるものも登場しています」

コスパに関わる「照射回数」は要チェック

もう一つ、コスパを重視するなら必ず見ておきたいのが「照射回数」だという。

「光は照射回数が決まっており、その数を使用すると“たま”が切れてしまうため、交換するか買い替える必要があります。製品によっては30万発のものもあれば、100万発のものもあり、数が多いほどお得なように見えますが、使う頻度によっては30万発で10年以上持つ計算になる場合もあります。

また『週に1回』の使用を推奨しているものもあれば、『週2~3回』の使用を推奨しているものがあり、どちらが早く消耗するかは明白ですね」

最後に、田中さんがおすすめする製品を2点、教えていただいた。