健康・医療

運動、睡眠、食事…専門医10人が「がんを遠ざける」ために実践しているルーティン

食物繊維豊富な食事、毎日の乳酸菌飲料、避けるのは加工肉

佐藤さんの食事メニューは、豊富な野菜や良質なたんぱく質がメイン。

豊富な野菜や良質なたんぱく質を
豊富な野菜や良質なたんぱく質がメインを(Ph/PIXTA)
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「毎日、夕食に【20】野菜サラダと、食物繊維が豊富な【21】豆類や【22】雑穀を食べるようにしています。“これだけを食べればがんにならない”という野菜はないので、まんべんなく食べること。強いていえば、【23】ブロッコリーやキャベツなどアブラナ科の野菜は強い抗酸化作用があり、がん細胞の増殖を抑えるというデータがあります。野菜はスープにするとたくさん食べられるのでおすすめです」(佐藤さん)

中川さんはブロッコリーや納豆のほか【24】乳酸菌飲料を毎日摂っていると明かす。

納豆
納豆(Ph/PIXTA)
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「【25】腸活はがん予防にもいい。乳酸菌飲料を含む発酵乳を摂っていない人に比べて、習慣的に摂っていた人は膀胱がんのリスクが約半分というデータもある」

【26】避けるべきは加工肉だ。

「食生活の変化によって、最近は若年層でも大腸がんになる人が増えています。あくまでも私見ですが、肉類、特に加工されたベーコンやソーセージは消化器官に残りやすく、食べてから排泄までに時間がかかるため炎症を起こし、大腸がんのリスクを上げる。そのため、便秘を避けるべく野菜や穀物を中心に消化のよい食事をとるように心がけています」(中村さん)

アルコールについてもまったく口にしないか、嗜むとしても適量という医師がほとんどだ。日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之さんが言う。

勝俣範之さん
勝俣範之さん
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「飲酒は食道がんや肝細胞がん、大腸がんなど一部のがんのリスクを高めることは明らかです。ただしお酒を飲むことでリラックスできるなど得られるメリットがあるのは事実。私は【27】特別な日や週末に、妻と350mlの缶ビールを半分ずつ飲んでいます」

ケーキやスナックなどの菓子類も同様で、2017年に乳がんに罹患した経験を持つ東都大学教授で河北総合病院放射線腫瘍科部長の唐澤久美子さんは、【28】小腹がすいたときは炭水化物はできるだけ避け、ナッツかドライフルーツを口にする。

唐澤久美子さん
唐澤久美子さん
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「甘いお菓子をいただくことも多いですが、お腹がいっぱいになって、たんぱく質が摂れなくなるので少ししか食べません。もともとがん家系なので、58才で乳がんになったときも当然だと思いました。

昔もいまも特別なことはせずに、適度な運動と食事のバランス、充分な睡眠を心がけています」

軽視できない食後の口腔ケア

がん細胞を目覚めさせないためには、【29】食後の口腔ケアも大事。

「歯周病になると歯周病菌が血液から全身を巡り、体のあちこちで慢性炎症を引き起こす。すると細胞が傷つき、がんのリスクが上昇します。歯周病は認知症のリスクを上げることもわかっているので、口腔内のケアを軽視すべきではありません」(大野さん)

今回、医師たちに話を聞いてわかったのは、特別なことはしていないが「健康的な生活」を地道に続けているということだ。

「がんになる原因は、いまだにはっきりしていないことが多い。遺伝や偶発的な要因もあり、生活習慣が関係するのは全体の3割ほどです。しかし、生活習慣が関係している部分においては気をつけることでリスクを減らすことができます」(勝俣さん)

大野さんは「継続は力なり」と断言する。

「基本的にがん細胞は長年にわたって、正常な細胞に小さな傷がついていくことで作られます。例えば1年喫煙するとか、体に悪いことを少しやったくらいでは問題ありませんが、そうした生活を20年30年と続けているとがんになる。裏を返せば、どんなに小さくても【30】体によいことをコツコツと継続していくことが、がんを遠ざけます」

日々の積み重ねで、がんのリスクを下げることはできる。

がん細胞を目覚めさせない究極ルーティン

がん細胞を目覚めさせない究極ルーティン
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※女性セブン2024年8月22・29日号

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