フード

《健康リスク高める塩分の摂りすぎ》意外にたっぷり“隠れ塩分食品”に注意!コンビニおにぎり、鍋のシメの雑炊、アップルパイにも

「鍋のシメの雑炊」の落とし穴

外食や市販の総菜に塩分が多く含まれる以上、できるだけ家で手作りすることが推奨されるが、そこにも落とし穴はある。

「気をつけていただきたいのは顆粒だしです。和風、中華、洋風といろいろな種類がありますが、なかには結構な量の塩分が含まれているものもあります。市販のだしでなく、自分で昆布やかつおぶしからだしをとる場合にも塩分は抽出される。あさりなど貝類は特に塩分を多く含むので、貝類の汁物は調味料をいつもより少なくすることを目指して」(金丸さん)

気をつけていただきたいのは顆粒だし
気をつけたい顆粒だし(写真/PIXTA)
写真11枚

これからの季節、食卓に頻繁に登場するあるメニューにも注意が必要だと望月さんが続ける。

「寒くなってくると鍋を食べる機会が増えると思いますが、鍋つゆはかなり高塩分。そこに具材の塩分が旨みとともに溶け出す。最後のシメで雑炊を作って汁ごと食べてしまうのはかなりの危険行為といえます。

野菜たっぷりの鍋だからヘルシーと油断は禁物。食材を別ゆでして塩分を落としてから鍋に入れたり、しゃぶしゃぶにして塩分を抜いて食べるといいですね」

雑炊同様、素材や調味料の塩分をすべて吸収する炊き込みご飯も塩分が高くなる。煮汁を素材に染み込ませる煮物やきんぴら、おでんにも気をつけたい。

「ハムやソーセージといった加工食品の塩分量が多いのは知られていますが、はんぺんやちくわ、かまぼこなど魚介を使った加工食品はもともとの素材に塩分が含まれているのでより注意したい。練り物を多く入れるおでんは塩分過多になりやすい料理です。

調味料に使われる白だしや薄口しょうゆも、普通のしょうゆよりも塩分量が多い。色が薄いぶん、ついつい入れすぎてしまうケースが多いので、知らず知らずのうちに大量の塩分を摂っているということになりかねません」(望月さん)

だし
だしにも注意(写真/PIXTA)
写真11枚

しょうゆを控えて、白だしを使えば減塩になるというのは大間違いなのだ。自分で調味せずにルーで作るカレーやシチューも実は塩分過多メニューの代表格。

「スパイスやハーブなど複雑な味つけになっているので気づきにくいのですが、ルーの塩分量はとても多い。食べる頻度は多すぎない方がいい」(金丸さん)

市販の総菜は調味料代わりに使う

日常に潜む隠れ塩分から身を守るためにはどうすればいいか。まず欠かしてはいけないのが、食品表示成分のチェックだろう。

「調味料はもちろん、お総菜やお弁当やお寿司などありとあらゆる食品は、『食塩相当量』の表示から塩分量を見ることができる。必ず確認して商品を選びましょう。意外なものに塩分が多く含まれていることへの気づきにもつながります」(望月さん)

食品表示の「食塩相当量」はしっかり確認しよう
食品表示の「食塩相当量」はしっかり確認しよう(写真/PIXTA)
写真11枚

自分で料理する際には調味料の量などで調節できるが、市販の総菜などを食卓に取り入れるなら食べ方に気をつけたい。

「塩分量が多い煮物やきんぴらは味が濃いので、自分で野菜を足して和え物にするなど、調味料のように使ってみてください。

自炊するなら、スパイスなどの香辛料や、トマトやきのこといった旨みの強い食材を使うことで調味料で塩分を加えなくても満足感が得られます。逆に鮮度が低い食材は旨みや風味が抜けていてついつい調味料を足してしまうことになります」(金丸さん)

大切なのは、自分がどのくらいの塩分を摂っているかを把握すること。秋津さんが言う。

「実際に減塩に気をつけて食品を選んでも、厚労省の目標値を超えないのは難しいのが現実です。だからといって、過剰に塩分を控えれば今度は低血圧になりすぎてかえってリスクになりかねない。毎日平均して、8~10g程度を摂ることを意識しましょう」

毎日の小さな積み重ねが10年後、20年後の健康状態を大きく変える。そのひと口にどれだけの塩が入っているか、意識することから始めよう。

●要注意!隠れ塩分食品リスト※塩分量は調理に使用する食材や調味料、商品によって差があります
※塩分量は調理に使用する食材や調味料、商品によって差がある
写真11枚

※女性セブン2024年9月19日号

関連キーワード