
心待ちにしていた新米の季節が到来。 米価格高騰も言われるなか、大事なお米を一粒残らず味わうために、食通おすすめのお茶漬けで、新米をよりおいしく味わいたい。お茶碗一杯で幸せになるお茶漬けの世界に注目。お茶漬けライターら食通5人に聞いた絶品茶漬けを紹介する。
※すべて材料は1人分(目安)。お茶漬けの具材やお茶、だしの分量は好みで調整してください。
忙しい朝こそ喉通りのよいお茶漬けを「じゃことあぶり明太子茶漬け」レシピ
米・食味鑑定士として、レシピ提供やお米コンテストの審査員を務める、ごはんソムリエ・秋元薫さんが紹介するのは、「じゃことあぶり明太子茶漬け」。

「朝はしっかり活力をつけたい!という思いがあり、たんぱく質やビタミン類も加えるように心がけています。ご飯は、盛る前に、さっと水で洗って粘り気を取ると、喉通りがよくなりますよ。お茶碗ひとつで洗い物が少ないのも、お茶漬けの魅力!」(秋元さん)

《作り方》
【1】明太子1本はアルミホイルで包み、フライパンで片面1~2分ずつ強火で焼く。その横でじゃこ小さじ1/2も一緒に炒る。焼いた明太子は2cm幅に切る。
【2】器にご飯1杯分を盛り、【1】と塩昆布ひとつまみ、三つ葉適量をのせる。白いりごま適量を振り、湯3/4カップ、白だし大さじ1を合わせて注ぐ。
秋元さんのお気に入りの新米は「つや姫」とのこと。
◆ごはんソムリエ・秋元 薫さん
米・食味鑑定士として、レシピ提供やお米コンテストの審査員を務める。著書に『帰ったら15分で作れる! 夜ラクごはん』(ナツメ社)。
さっぱり塩気のある混ぜご飯を定番・お茶漬けの素で「浅漬け混ぜご飯茶漬け」レシピ
食べることが趣味。お茶漬けマニアのイラストレーター・すれみさんは、「浅漬け混ぜご飯茶漬け」をおすすめする。

「手軽で罪悪感なく食べられるお茶漬けは、毎日食べても飽きません。もち麦入りご飯をお茶漬けにするとさらっとした食感を楽しめます。祖母お手製の漬けものをのせて食べてみたらおいしくて、自分でも漬けて作るようになったお気に入りの一品です」(すれみさん)

《作り方》
【1】 輪切りにしたきゅうり1/2本、薄いいちょう切りにしたなす1/2本、1cmの角切りにしたキャベツ1/2枚にせん切りにしたしょうが1片、塩小さじ1/2をもみ込み、5分おいたら水気を絞る。
【2】ボウルに【1】と温かいもち麦入りご飯1杯分、ごま油小さじ1/3を入れて混ぜる。
【3】器に【2】を盛り、せん切りにしたみょうが1本分をのせ、お茶漬けの素1食分をかけてお湯を注ぐ。
すれみさんのお気に入りの新米は「ななつぼし」とのこと。
◆イラストレーター・すれみさん
食べることが趣味。お茶漬けマニア。著書に『さよならブスメイク 自己流メイク卒業マニュアル 』(サンクチュアリ出版)。
薄味のだしでいただく牛肉茶漬け「牛肉とオクラ茶漬け」
「だしさえあれば、日々のごはんはもっと簡単に、もっとおいしくなる!」がモットーのだし愛好家・梅津有希子さんがイチオシするのは、「牛肉とオクラ茶漬け」。

「お茶漬けは、1人でさっとすませたい昼ご飯や、余っている食材・おかずの処理、夜にヘビーなものを食べたくないときに食べています。味付けはオリジナルだし+薄口しょうゆで。幅広い食材をうまく受け止めるだしで食べるお茶漬けは最高!」(梅津さん)

《作り方》
【1】熱したフライパンにサラダ油適量を入れ、牛カルビ肉60gをさっと焼き、みりん・しょうゆ各小さじ1を絡める。
【2】器にご飯1杯分を盛り、【1】と輪切りにしたオクラ1本を添える。お茶漬けだし(※以下参考)を注ぐ。
梅津さんのお気に入りの新米は「ゆめぴりか」とのこと。
絶品だしの作り方
梅津さんには、絶品だしの作り方も聞いた。
【昆布だし】水5カップに昆布20gを入れ、冷蔵庫でひと晩漬ける。
【かつおだし】コーヒードリッパーにフィルターをセットし、かつおぶし5gを入れて熱湯1カップ弱(180ml)を注ぐ。
【お茶漬けだし】鍋に昆布だし・かつおだし各1/2カップを入れ、ひと煮立ちさせ、薄口しょうゆ小さじ1/2を加える。
おすすめのしょうゆは、「淡口丸大豆醤油」(500ml 635円/大徳醤油)とのこと。

◆だし愛好家・梅津有希子さん
「だしさえあれば、日々のごはんはもっと簡単に、もっとおいしくなる!」がモットー。著書に『だし生活、はじめました。』(祥伝社)など。
焼き鳥缶のくせになる甘辛さでお箸が止まらない「焼き鳥茶漬け」レシピ
これまでに累計1500食、250種以上のお茶漬けを食べるお茶漬けライター・もちづきもちこさんは、「焼き鳥茶漬け」をピックアップする。

「学校に遅刻しそうになった私に、母が“何も食べないと、お腹が空いて大変。これならすぐ食べられる”と、出してくれた永谷園の『お茶づけ海苔』が衝撃的においしく、小学生以来ずっと、細胞レベルで好きな料理です。年間250食は食べています!」(もちづきさん)

《作り方》
器にご飯1杯分を盛り、焼き鳥の缶詰(70g)の具とたれ適量、せん切りにした青じそ1枚、白髪ねぎ適量をのせ、七味唐辛子適量を振り、だし1カップ弱を注ぐ。

もちづきさんのお気に入りの新米は「コシヒカリ」とのこと。
おすすめ!市販茶漬けの素
もちづきさんおすすめの「市販茶漬けの素」も紹介する。
・鯛の生茶漬 160g 810円/木屋

「1500食以上食べた上で揺るがない、1位のお茶漬けの素。わさびの味がよいアクセント」
・抹茶お茶漬けぱっぱ 9g×3袋 756円/祇園辻利

「湯を注ぐとインパクトのある緑色!でも渋すぎず、抹茶の豊かな香りを堪能できる」
・梅干専門店の贅沢茶漬け 紀州南高梅添え1袋 270円/勝喜梅

「梅干し茶漬けの本気が感じられる。リーズナブルなのもいいですね」
・山のだし茶漬け(2人分)56g 756円/姫野一郎商店

「だしをとってから食べる珍しいお茶漬け。具材の旨みも相まって最高にぜいたく!」
・創作茶漬け 鮭入り鯛茶漬け 1食入り 648円/久右衛門

「だしがジュレ状になっている珍しいお茶漬け! 贈答用にも自分のご褒美用にも」
◆お茶漬けライター・もちづきもちこさん
これまでに累計1500食、250種以上のお茶漬けを食べるお茶漬けライター。お茶漬けエッセイを発表する同人サークル『玉露花月』主宰。
お取り寄せ具材の甘口昆布で手軽においしいお茶漬けを!「焼きおにぎりのわさび昆布茶漬け」レシピ
「酒と健康」「酒と料理のペアリング」を核に各メディアで活動している酒ジャーナリストの葉石かおりさんが紹介するのは、「焼きおにぎりのわさび昆布茶漬け」。

「貧しい家庭で育った父はお茶ではなく湯でお茶漬けを食べていました。食べてみると、お茶より食材が引き立つことを発見! 入れる具材を引き立たせるなら湯、香ばしさを求めるなら加賀棒茶やほうじ茶、コクを出すなら緑茶など、お茶を替えて楽しみます」(葉石さん)

《作り方》
器に解凍した市販の焼きおにぎり1個、かつおぶし・甘口昆布(ちりめんじゃこ、ごま、しょうがなどを加えたもの)各ひとつまみ、わさび適量をのせ、加賀棒茶1カップ弱を注ぐ。


葉石さんのお気に入りの新米は「ゆめぴりか」とのこと。
お気入りのお茶漬けの具
葉石さんから聞いたほかのお気入りのお茶漬けの具も紹介する。
・じゃこ山椒 30g 648円/千ひろ

「じゃこの味を最大限に引き出したいので、お茶ではなくお湯を注いで」
・荒ほぐし鮭フレーク 辛子明太風味 140g 647円/ドン・キホーテ

「隠れた名品。明太子の辛さとししゃもの卵のプチプチ感がくせになる!」
◆酒ジャーナリスト・葉石かおりさん
「酒と健康」「酒と料理のペアリング」を核に各メディアで活動中。著書に『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ 老いに親しむレシピ 』(主婦と生活社)など。
※商品価格は編集部調べ。
撮影/菅井淳子、石田ダダ(もちづきもちこさん) 調理・スタイリング/岡本ゆかこ 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2024年9月26日・10月3日号