【悩み5】加齢のせいか、爪表面がデコボコに
「爪が波打ったようにへこんでいます。貧血が原因だと聞いたことがありますが、鉄剤をのんでもあまり改善しません」(パート・59才)
【回答5】運動&糖質オフで改善します
「鉄欠乏性貧血によって起きる症状です。鉄剤の処方に効果が感じられない場合、臨床経験上、甘いもの好きで糖質過多の食事を摂っている傾向にあります。
運動をして、甘いものを控え、バランスのよい食事を心掛けると、鉄剤の効きがよくなり、貧血も爪も回善していきます」
【悩み6】足の指やかかとがガサガサです
「今夏は靴下を履かずに素足でサンダルを履く機会が多かったからなのか、足の指が白い粉吹き状態に。かかともガサガサしています。これも漢方薬で治りますか?」(パート・56才)
【回答6】“甘いもの断ち”を1か月続けましょう
「素足やサンダルと、この足の症状はまったく関係ありません。かかとがひび割れるほどガサガサしている場合は、生活の乱れが考えられます。かかとのひび割れが見られる患者さんに食生活を問うと、甘いものを食べる機会が増えたと答えるかたが多いんです。
糖質の摂りすぎで『脾虚』という消化器系の調子が悪く、食物をエネルギーにうまく変えづらい状態になっているのです。
そこで、1か月、甘いものを控えると潤いが戻り、改善していきます。これに運動が加われば回復スピードが早まります。
季節を問わず、足の裏がいつもささくれ立ち、ストッキングが伝線しやすい人も、この方法が有効です」
【悩み7】足裏がほてって眠れません
「体温が高い方だからか、布団に入ると足裏が急に熱くなります。足先を布団から出して冷たいところに押しあてたり、保冷剤で冷やさないと眠れないことがあります」(主婦・48才)
【回答7】体がかなり疲労しているサイン。気を補って!
「これは『五心煩熱』といって、体内の気血が不足している状態で発生する症状です。自分はかなり弱っていると気づかなくてはいけません。
『気虚』がかなり進んでいるので、食生活を整えて睡眠によって養生を重ねると解消します。
女性は更年期の月経が止まる時期に陰陽のバランスが崩れて熱暴走が起きやすくなります。寝ている間に足がほてったり、急にのぼせて顔に汗をかくなど、ホットフラッシュの1つの形として発生することがあるのです。
しかし、閉経後も症状が続くようでしたら、自律神経失調症に近い状態になっていると考えられます。
この症状の改善は東洋医学の得意分野なので、未病のうちに東洋医学外来や漢方薬局の薬剤師などに相談してみてください」
【悩み8】ほくろが多く、ビヨーンと伸びたイボも気になります
「首のあたりに小さな、指でつまむと取れそうな細長いボツボツができました。取る方法はありますか?」(無職・67才)
【回答8】漢方薬のヨクイニンに効果があります
「これは老人性疣贅といって、若い人にもできるイボの一種です。東洋医学として最初に選択するのは、漢方薬のヨクイニンで、ハトムギの種子が原料です。一般皮膚科でも処方してくれるところが多いので、相談してみてください。
引っ張ると取れそうでも、中に毛細血管が入り込んでいるため血が出ます。昔はお灸で焼き切ることもあったようですが、ものすごく熱くて痛いのでおすすめできません」
◆教えてくれたのは:鍼灸師・若林理砂さん
1976年生まれ。2004年にアシル治療室を開院。予約のとれない人気治療室となる。古武術を学び、現在の趣味はカポエイラとブラジリアン柔術。
出典:若林理砂『謎の症状 心身の不思議を東洋医学からみると?』ミシマ社,2024
取材・文/山下和恵
※女性セブン2024年10月17日号