クセがなくどんなレシピにも合う豆苗。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「安価なうえに、再生して“リボベジ”としても使えて、節約にも役立つ野菜です。豆苗をスーパーで買うときや、再生する際にはポイントがあります」と話す。詳しく教えていただいた。
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豆苗の選び方&正しい保存の方法
おいしく豆苗をいただくには、選び方のポイントと保存のコツがあります。
おいしい豆苗の選び方 色味とハリ、葉を確認
豆苗を購入するときは、まず色味をチェックしましょう。緑が濃いことが、新鮮でおいしいサインです。黄色っぽく変色していると、鮮度が落ちている可能性があります。
また、全体にハリとツヤがあって、葉がしっかりと開いているかどうかもポイント。しなびているように見えるものは避けてください。
さらに、根付きのものはもちがよく、再生栽培をすることで2回収穫ができます。根が切ってある豆苗の場合は、切り口が茶色くなっていないものを選びましょう。
豆苗の正しい保存法 水を与えるのがコツ
根付きの豆苗を保存するときは、袋に入ったものは未開封のまま野菜室に置きましょう。ストレスを与えないよう、育っているときと同じ状態で野菜室に立てて保存することで、味が落ちにくくなります。
袋に入っていない根付きのものは、ポリ袋や保存袋に入れて野菜室へ。根付きのものは、野菜室に置いても成長するので、ときどき根元に水を大さじ3〜4杯ほど与えましょう。そのほうがより長持ちし、1週間〜10日ほど保存できます。
根がついていない場合は、根元を切りそろえて水洗いしてから、水気のあるキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて野菜室へ。または、保存容器に入れてから豆苗が浸るまで水を注ぎ、ふたをしてから野菜室に置きます。保存期間は4〜5日ほどで、2〜3日後に取り換えるのがポイントです。乾燥を防ぐことと密閉することで、長持ちします。
豆苗&スプラウト系の栽培方法
豆苗は再生栽培ができる家庭の味方。コツを知っておけば、何度もおいしくいただくことができます。また、見た目が似ているかいわれ大根やブロッコリースプラウトの再生についてもお話しします。
2回再生できる!豆苗の栽培方法
豆苗は2回を目安に再生することができます。まずは、根元から5cmほど上の、豆の上に葉があるあたりでカットします。根元ギリギリだと、成長点がなくなり再生しないので気をつけてください。
切った豆苗の苗は、タッパーなどの容器に入れ、白い根が浸かる程度の水を加えればOKです。水を1日1回変えておけば、1週間程度で芽が伸びて、2週間ほど経てば収穫できます。
2回目の再生栽培をする場合は、同様に成長点を残してカットしましょう。1回目の再生栽培よりも細くなり、収穫量は減りますが、再度収穫することができます。
購入時の豆苗はかたいので加熱調理が基本ですが、再生栽培したものはやわらかく、サラダなどの生食に向いています。
見た目が似ているスプラウト系の再生は可能?
かいわれ大根やブロッコリースプラウトは、豆苗と見た目が似ていて混同されがちです。
いずれも豆苗と同様に再生可能なように見えますが、かいわれ大根は1度の成長で種の栄養素を使い切ってしまうため、ブロッコリースプラウトは成長点が豆苗とは異なるため、いずれも再生は難しいです。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ