年末年始に気をつけたい食べ過ぎや飲み過ぎ。「忘年会や新年会でついつい陥ってしまいがちな胃腸の疲れは、野菜の栄養で解消しましょう」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。どういった野菜がおすすめなのか、栄養価とともにおすすめのレシピを聞きました。
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大根&なめこで胃の不調をスッキリ
食べ過ぎ、飲み過ぎのケアには、消化酵素と食物繊維がカギになります。これらを多く含む大根となめこが、なぜ食べ過ぎや飲み過ぎからのリカバーにいいのか詳しく解説します。
大根の消化酵素で胃の働きを改善!
大根には、ジアスターゼという消化酵素が豊富。これには消化を助ける働きがあり、胃酸をコントロールすることで胸焼けや胃もたれを改善します。ジアスターゼは特に大根の先端の部分に多く含まれています。
さらに、大根の辛味成分であるアリルイソチオシアネートも、胃液の分泌を促して胃の働きを正常化してくれます。組織が破壊されることで生成される栄養分なので、大根おろしにするのが特におすすめです。大根サラダにしてよく噛んで食べるのもよいです。
この2つの成分は熱に弱い栄養素のため、生食するのがベストです。また、大根の葉も一緒に食べると、葉に豊富に含まれているβ-カロテンとビタミンCの効果によって免疫力アップも期待できます。
腸内環境&アルコール代謝に効果◎のなめこ
なめこのぬめりは水溶性食物繊維によるもの。この水溶性食物繊維が腸の粘膜を保護することで、調子を整えます。
さらに水溶性食物繊維は腸内細菌のえさとなるので、善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれる効果も。ほかに不溶性食物繊維も豊富なことから、体内の毒素や老廃物の排出を促す作用があります。
さらに、アルコールを代謝する働きがある水溶性ビタミンのナイアシンも含まれており、飲みすぎた日にはなめこの味噌汁などを食べるのがいいですよ。
一緒に食べて相乗効果!大根&なめこのレシピ
大根となめこを一緒に食べると、それぞれに含まれる栄養の相乗効果で、消化を促進して食べ過ぎ、飲み過ぎから胃をスッキリさせてくれます。この2つを同時にとれるレシピをご紹介します。
「なめこ&おろしの甘辛サッと炒め」のレシピ
豆腐やご飯にかけて食べる、プラス1品のレシピ。酵素の働きを生かすために、火を通しすぎないことがポイントです。
《材料》(3~4人分)
なめこ…100g、だいこん…100g、まいたけ…60g(1/2パック)、しょうゆ…大さじ1と1/2、砂糖…大さじ1、酒…大さじ1、サラダオイル…大さじ1/2、小ねぎ…少々
《作り方》
【1】だいこんはすりおろし軽く水を切る。
【2】フライパンにサラダオイルをしき、まいたけを炒める。
【3】【2】を弱火にし、おろしただいこん、なめこを合わせて、砂糖・酒・しょうゆの順に加え味をなじませる。
【4】盛り付けてから、小口切りの小ねぎを振りかけて完成。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ