健康・医療

医師が実際にやっている【寝る前の30分習慣】ランキング 3位「マインドフルネス・瞑想」2位「スマホをやめる」

ベッドで寝る女性
医師が実際にやっている【寝る前の30分習慣】とは?(Ph/イメージマート)
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長かった夏にもようやく終わりが見え、朝晩がめっきり涼しくなってきた。加齢とともに「夜になるのが憂鬱だ」という人も少なくない。それはひとえに、睡眠による悩みを抱えているから。人生100年時代を健康に生きぬく要ともいえる「睡眠」の最新事情を徹底研究。ぐっすり眠るために名医が当にやっている「寝る前30分の習慣」をランキング形式で紹介する。

※以下の医師に実践する習慣を挙げてもらい、1位から点数化し集計。

朝田隆さん(メモリークリニックお茶の水理事長・院長)、伊賀瀬道也さん(愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター長)、石原新菜さん(イシハラクリニック副院長)、小林弘幸さん(順天堂大学医学部教授)、佐野こころさん(医学博士)、坪田聡さん(雨晴クリニック院長)、日比野佐和子さん(医療法人社団康梓会統括院長・SAWAKO CLINIC x YS院長)、平松類さん(眼科専門医、二本松眼科副院長)、松村圭子さん(成城松村クリニック院長)

自分だけの入眠儀式で質のよい睡眠を導く

「長生き睡眠」ができるか「早死に睡眠」になってしまうかは、睡眠がストレスになってしまわないことも大切。「寝つきが悪い」「夜中に何度も目覚める」「深く眠れない」といった悩みは年をとるとともに増えていき、「早く寝ないと…」と悶々とすることがかえって睡眠の質を低下させることもある。

内科や婦人科、歯科医、予防医学の第一人者など各分野の名医たちが「良質な睡眠のために寝る前30分に実践していること」を聞いた。

多くの名医が習慣にしているのが1位のストレッチ。無理のない範囲で行うことがポイントだ。医学博士の佐野こころさんも「激しい動きではなくゆったりとした動きでいい」と話す。適度な疲労も、睡眠へのいざないを助けてくれる効果が期待される。

ストレッチ
1位はストレッチだった(写真/PIXTA)
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イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは「アロマ」を活用。

「目が疲れたと感じたときには温湿布(水に濡らしたフェイスタオルを軽めに絞って電子レンジで1~2分温める)をあてるようにしていますが、その際にアロマを少したらすと疲れがとれて眠りに誘われます」

就寝前の入浴については、深部体温を下げて眠りを導くため、寝る1時間~1時間半前にすませることを推奨する医師も多い中、直前に入るという医師も。

お湯をためたお風呂
就寝直前に入浴する医師も(Ph/イメージマート)
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「お風呂に入ると体力を消耗するので、体力消耗のために10分ほど38~40℃のぬるま湯につかります。洗面器にお湯を張って足湯をするだけでも効果がありますよ」(メモリークリニックお茶の水理事長・院長の朝田隆さん)

入眠儀式は人それぞれ。「これをしなければ」「あれをしてはいけない」ととらわれるのではなく、自分に合った入眠&快眠習慣を見つけよう。

ぐっすり眠るために名医が本当にやっている【寝る前30分の習慣】ランキング

1位:ストレッチ

血流が改善されリラックス効果も。

「副交感神経の働きを活発にして緊張を解く」(佐野さん)、「血流が改善されて体温下降を促しスムーズな入眠につながる」(坪田さん)、「股関節と肩まわりのストレッチは毎晩の日課。翌朝の目覚めが楽になりスッキリ起きられる」(石原さん)

2位:スマホをやめる

ブルーライトが深い睡眠を妨げる。

「強い光が目に入ると睡眠に大切なメラトニンの分泌が減少」(伊賀瀬さん)、「自律神経が乱れるのでスマホは寝る1時間前から見ない」(小林さん)、「ブルーライトが睡眠の質を低下させるので寝る30分前までにやめる」(平松さん)、「ブルーライトがメラトニンを抑制し体内時計に影響する」(日比野さん)

3位:マインドフルネス ・瞑想

心身ともにおだやかな眠りをもたらすマインドフルネス・瞑想。

「最近の研究では血圧を下げる、うつ病や心理的ストレスが軽減されることによる生活習慣病の改善など、さまざまな健康効果が報告されている」(日比野さん)、「副交感神経を優位にしてリラックス効果を与え、眼圧を下げるという研究もある」(平松さん)

4位:パジャマを着る

「眠る」ことを脳に伝え睡眠モードに導くのがパジャマだ。

パジャマ
快眠モードへ(写真/PIXTA)
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「眠りを妨げないよう、体を締めつけないパジャマで寝ると睡眠の質が向上する」(松村さん)、「家族に『おやすみなさい』と声をかけ、パジャマに着替えることを入眠儀式にしている。ルーティンをこなすことは緊張をほぐしてリラックス効果も」(坪田さん)

5位:明かりを暗くする

明かりを暗くすることで、目からの刺激を減らして自律神経を整える。

「照明をつけたままだと交感神経が亢進し、心拍数が上がり体が緊張状態となる」(日比野さん)、「寝心地がいい光の環境を作ることで自律神経を整え、深い眠りにつながる。真っ暗にしてしまうと逆に寝つけないので、薄明かりのような状態に」(伊賀瀬さん)

6位:腹式呼吸

緊張をやわらげ心を落ち着かせる腹式呼吸。

「寝る直前に腹式呼吸をすると、体がほぐれて緊張がゆるむ。仰向けになって目を閉じて、とにかく息を長く吐くことに注力」(石原さん)、「副交感神経を優位にする効果がありリラックスできる」(佐野さん)

7位:寝酒

寝酒はリラックス効果があるが体質により個人差も。

「スムーズな入眠のために。睡眠前の糖質は控えた方がいいので、糖質が少ないハイボールなどを選ぶ」(松村さん)、「リラックス効果があり、寝入りをよくする一方で、分解が進むと中途覚醒する可能性もある」(朝田さん)

8位:ハーブティーを飲む

カフェインゼロで安眠効果が期待できるのがハーブティー。

ハーブティーはカフェインゼロ(写真/PIXTA)
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「カモミールティーなどリラックス効果の高い、温かいハーブティーを飲むことで安眠効果が期待」(佐野さん)、「カフェインが入っていないため入眠を邪魔せず、よく眠れる」(宋さん)

9位:音楽を聴く

心身の緊張を解きほぐすために音楽を聴くことを習慣としている医師もいる。

「『f分の1ゆらぎ』と呼ばれる、単調な中に時々変調(ゆらぎ)がある音がいい。川のせせらぎなど環境音も落ち着く」(朝田さん)

音楽を聴くことを習慣に(写真/PIXTA)
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10位:トイレをすませる

寝る前にトイレをすませるのは、夜中に目が覚めないために欠かせない。

「尿意による中途覚醒を減らすことにつながる」(坪田さん)

11位:水分補給

乾燥を防いで脱水予防。

水分補給で脱水防止(写真/PIXTA)
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「入浴の前後にコップ半分の水を飲み、夜間の脱水を予防する」(伊賀瀬さん)

※女性セブン2024年10月24・31日号

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