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67歳オバ記者が綴る「山あり谷ありの日常」、ユニクロ銀座店前で見た光景、仰天価格の大間のマグロ、出会った“ムショ仲間”

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ユニクロ銀座店の前で驚きが隠せないことが!
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。ライターとしてさまざまな場所に赴き、人に会い、体験したことを文章にしているが、日常でも「そんなことってあるの?」という出来事をよく“体験”するという。オバ者記者が綴る「山あり谷ありの日常」とは──。

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知人から言われた「ふつうなら詐欺師」

「あのさ、オバ記者の話を聞いているとわけがわからなくなるのよ」とちょっとイラついたように言ったのは最近、よくつるんでいるK子だ。彼女は私より20歳年下でIT関連の企業で働いているんだけど、私が最近起きたことを話したら、プルプルと首を振ったのよ。

「えっ、どういうこと?」と聞くと、「だってこの前は女優さんが家にご飯食べに来たって話をしていたじゃない。かと思えばバイト先の代議士がどうの、総理大臣になった石破さんがどうしたって、こんな大風呂敷を広げるのはふつうなら詐欺師だよ」と、こう言うのよ。

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何年かぶりに再会した女優の清水美那さん
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確かにね〜と思いつつ、最近また、私好みの香ばしい女と知り合ったんだけど、その話は後にして、「いやぁ、驚いたねえ」「うそっ、そんなことってあるの?」って、思えば月に何度かそう言いたくなることが私の身に起こるんだわ。思えば67歳の今まで平穏無事な日々は、あの時とこの時とと指折り数えられるくらいだから、山あり谷ありが私の日常?

ユニクロ銀当店前で足が動かなくなった

そういえば2年前のちょうど今頃、卵巣がテニスボールくらいに腫れて大学病院で全摘手術をしてからというもの、健康でさえあればあとはどうでもいいんじゃね?と思うようになり、ますます興味のドアが開きっぱなしになった感じ。

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卵巣がんの疑いで手術を受けたオバ記者
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8年前から世界一のオタクの密集地、秋葉原に住んでいるけど秋葉原といっても私の住まいは問屋街のほう。国際都市の華やかさはまったくなくてね。ホテルの中で食べるのかしら、家族連れの外国人観光客がコンビニでカップ麺を買ったりしているんだわ。そんなわけで外国人は見慣れているはずの私が先日、ユニクロの銀座店の前を通り過ぎようとしたら、足が動がなくなったの。

長くは南ヨーロッパ49日間から2泊3日の韓国旅行まで20回くらい海外旅行をして英語、フランス語、イタリア語、ロシア語、タイ語、中国語、韓国語なら何を言っているかはまったくわからないけど、聞き覚えはある。でもユニクロ前はそのどれでもない、まるで耳なじみのない音が空中を飛び交っていだのよ。

26歳の時、女友達と訪れたギリシャのシフノス島
26歳の時、元夫と訪れたギリシャのシフノス島
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店の入り口に立つ店員さんは「いらっしゃいませ〜」と淡々と繰り返しているんだけど、まぁ、その心細いこと!円安でどこの国より安く買えるそうだけど、それにしてもここまでとはねぇ。

生マグロのサクが1万7000円!

その翌日のこと。気分転換にデパートに行くのは昔からだけど、最近は洋服や靴やアクセ売り場には足を踏み入れない。行くのはもっぱら地下食品街の鮮魚売り場なの。

日本は30年間、不景気だそうだけど、家族4人で分けるには頼りない大きさの生マグロのサクが約1万7000円だよ! これを買う人がいるんだよね。そんな私だって、この最高級のマグロがあがる青森県大間産のを手ごろな値段で手に入れたくて何度、東北新幹線のはやぶさに飛び乗ったことか!

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信じられない価格!
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刑務所で受刑者と触れ合うMさん

で、最後のビックリは私の“無名人仮名人名簿”の最新版に載ったMさんの話。彼女は全国の刑務所を合わせても30名もいない職種の人でね。日常的に殺人などを犯した受刑者と触れ合って指導をしているの。

なぜこういうニッチな人とお酒を飲む仲になったのかというと、彼女と出会うまで何人か間にいるんだよね。まず数年前に議員会館でムショで働いたことのあるお役人と知り合い、彼から話を聞いているうちにムショの中に興味を持った私。それで2年前に喜連川刑務所を取材してルポを書いたんだけど、それから芋づる式に“ムショ仲間”が増えていったのよ。

で、まず私がMさんに聞いたのは「怖くない?」という当たり前のこと。

「そりゃ、怖いわよ。受刑者が何かするわけではないけれど、こちらの言葉ひとつ間違えるとそれまでとはまるで違う空気になるから、ずっと緊張がとれません」だって。ひと口に国家公務員と言ってもいろんな仕事があるんだなと、彼女と別れたあと、しみじみしちゃった。

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国家公務員の仕事っていろいろあるんだな(国会案内のバイトもしているオバ記者)
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ちなみに11月23日から24日の2日間、有楽町駅前の東京国際フォーラムホールEで、刑務所作業製品の展示即売会、全国矯正展があるよ。部分洗いに抜群の威力を発揮する固形石鹸を買うために長い列が出来るし、大阪刑務所のレシピで作った監獄カレー、網走監獄和牛の弁当なども人気だよ。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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