家事・ライフ

《お風呂代をおさえる方法》どっちが節約に?「追い焚き」と「お湯の入れ替え」、「湯船に浸かる」と「シャワーだけ」

浴室
冬場にかかりがちなお風呂の光熱費(写真/photoAC)
写真5枚

湯船に浸かりたくなる寒い季節が近づいてきたが、ガスや水を大量に使う風呂は光熱費がかさみやすい。節約のためにとシャワーのみにしている人もいるかもしれないが、実は節約になっていない可能性も。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんにお風呂でできる節約方法について教えてもらった。

* * *

都市ガスなら追い炊きがおすすめ

お風呂のお湯を用意する方法は、給湯器ですべて沸かす方法、一度入れたお湯を温め直す「追い炊き」、半分程度のお湯を捨てて熱いお湯を継ぎ足す「足し湯」などがありますが、使っているガスが都市ガスの場合は追い炊きが最も低コストです。

東京ガス「ウルトラ省エネブック」(https://www.toshiken.com/ultraene/bathroom_toilet/)によると、浴槽にお湯を張るときの目安を180Lとすると、その場合は約119.6円、追い炊きでは約82.6円かかり、給湯しなおす場合と追い焚きする場合の差額は37円です。

水道代・ガス代は地域などによっても異なりますが、1日1回×365日として算出した場合、年間の水道代とガス料金は合計1万3000円以上の節約になります。

給湯パネル
足し湯と追い焚き、お得面では追い焚きに軍配(写真/photoAC)
写真5枚

プロパンガスなら足し湯でも

一方、プロパンガス料金比較サイト「enepi(エネピ)」(https://enepi.jp/articles/563)によると、プロパンガスは都市ガスより1立方メートルあたりの単価は高いものの、熱量が高いプロパンガスは、給湯器ですべて沸かす方法で1日あたり約178円かかりますが、追い炊きと足し湯はいずれも約170円。そのためプロパンガスの場合は、例えば残り湯の半分程度は洗濯に使って洗濯に使う水を節約し、残り半分を足し湯するなど使い分けるのがいいでしょう。

冬場はシャワーよりお湯をためる方がいい?

お湯をためるとコストがかかるからとシャワーだけで済ませる方もいるかもしれませんが、寒い冬場はお風呂に浸かってしっかり温まるほうが経済的です。

中部電力ミライズが運営する電気・ガスのWEBサービス「カテエネ」(https://katene.chuden.jp/clubkatene/p/entertainment/gas_maruwakari/08.html)によると、都市ガスでお湯を200リットル沸かした場合の費用は120.7円、シャワー10分あたり(120リットル)は72.4円(都市ガス基準単位料金156.29円/立方メートル、1リットルあたりの水道代0.24円にて試算)。シャワーを10分しか使わないのであればシャワーのみのほうが低コストですが、寒いからと出しっぱなしにしたり、シャワーを長めに使う家族がいるなどで意外と時間はかかってしまうもの。湯船でしっかりと温まり、シャワーを使う時間を短くするほうが節約になるでしょう。

浴槽に湯を溜めている
長めにシャワーを使うよりは湯をためたほうがコスパがいい(写真/photoAC)
写真5枚

また、お湯の設定温度を下げることもガス代節約になるので、まずは1度下げてみるという方法もあります。気にならないようであれば、その温度を継続したり、もう1度下げて試してみたり、ストレスにならない程度に実践してみましょう。

さらにお風呂代をおさえる工夫

お風呂のため方以外にも、ちょっとした工夫などで節約が可能です。

追い炊きの回数を減らす

お湯を入れ替えるよりは追い炊きのほうが低コストとはいえ、追い炊きの回数が増えればコストもかさみます。お湯が沸いてから時間が経ったり、外気に触れたりするとお湯の温度はどんどん下がってしまうため、間を空けずに入浴したり、入浴中は換気扇を止めたりすることで、浴室内の温度やお湯が冷めにくくなります。湯船に浸かっていないときやお風呂から上がるときは、湯船にふたをするとも忘れずに。

また、自動の追い炊き機能が付いている場合、お風呂を使っていないときは忘れずにオフにしておきましょう。

節水シャワーヘッドを使う

節水タイプのシャワーヘッドを使うと、使いながら節水と節ガスができて効果的です。

シャワーヘッドを外している
節水タイプのシャワーヘッドに交換するのもおすすめ(写真/photoAC)
写真5枚

導入コストはかかるものの、通常のシャワーヘッドと比べて半分近く使用水量を減らせるものもあるため、長期的に見ればお得ですし、家族の人数が多い場合はより節約になります。シャワーヘッドのレンタルやお試しのサービスなどもあるので、気になる人は一度試してみることをおすすめします。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
写真5枚

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

●《キッチン周りの節約術》「1リットル以内ならやかんより電気ケトルで沸かす」「鍋は拭いてから火にかける」、積み重ねれば大きな節約に!

●《トイレの節約術》トイレットペーパーは「ダブルよりシングル、通常巻きより倍巻き」、芳香剤や洗剤も“意外なもの”で代用できる