腸活食材の食べすぎに注意
ただし、やりすぎは逆効果。いくら腸にいいものでも、過剰摂取はかえって腸カビを増やしかねない。
「酵母や麹も真菌の一種、つまりカビの仲間なので、毎食ヨーグルトを食べ続けたり、肉や魚を欠かさず塩麹に漬けるような極端な食生活は逆効果。食物繊維は善玉菌だけでなくカビのえさにもなるほか、消化に時間がかかって腸に負担がかかり、栄養の吸収を阻害することもあるので、過剰に食べすぎないようにしてください。消化の負担にならないよう、夕食は食べすぎず、寝る3~4時間前には済ませることも大切です」(内山さん)
「腸内環境には発酵食品」とこだわりすぎて、栄養バランスが乱れるほど食べ続けてはいけない。
「どんなに体にいい食品でも、摂りすぎれば毒になるということ。そもそも、ゾンビ腸の主な原因は、乱れた食生活とストレス。つまり、どんな人でもゾンビ腸になり得る一方で、食生活を整えることで対策が可能です。炭水化物ばかり、野菜ばかりにならないよう、どの食材も、摂りすぎず摂らなさすぎず、適度なバランスを意識してください」(小林さん・以下同)
「寝起きにコップ1杯の水」を習慣に
こまめな水分補給も心がけ、寝起きにコップ1杯の水を飲むことをぜひ習慣にして。
「腸を目覚めさせて便秘を解消し、腸にたまった有害物質を便と一緒に出すことができるでしょう。また、ゾンビ腸の改善には朝のホットコーヒーもおすすめ。
腸を温めてぜん動運動を促し、便秘の解消や腸内環境の改善に役立ちます。カフェインが末梢血管を広げて血流をよくするほか、米ハーバード大学の研究によると、コーヒーには幸せホルモンのセロトニンや、意欲と集中力を高めるドーパミンなどの神経伝達物質を増やす『抗うつ効果』があるとわかりました。コーヒーが苦手なら、牛乳でもOK。腸で水素を発生させ、活性酸素を除去する働きがあるとされています」
内山さんは、いちばん大切なのは気分よく食べることだと話す。
「女性は年を重ねて腸活にハマる人が多いのですが、まじめにやりすぎてかえってストレスになり、腸内環境が乱れてしまう人も少なくありません。厳格に取り組みすぎて食事が楽しくなくなっては本末転倒。
無理な腸活をやめて楽しく食べればストレスが減り、唾液や胃液も自然と増える。それこそがいちばんの腸活です」(内山さん)
きれいな腸を取り戻し、「脱ゾンビ化」することで、体の中からイキイキ、健康になろう。
※女性セブン2024年11月21日号