料理・レシピ

《便秘、老化、高血圧対策に》“冬のスーパーフード”あずき活用術 炊飯器で作る「ゆであずき」「発酵あずき」なら料理やスイーツに

炊飯器で作る「簡単ゆであずき」

そこでおすすめなのが、自宅で「ゆであずき」をつくること。自分でつくれば砂糖や塩の量を調節できるうえ、アレンジも無限大。

ゆであずきをスプーンですくっている
ゆであずきを自分で作れば砂糖や塩の量を調節できて安心(写真/PIXTA)
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渋抜き(あく抜き)をするとせっかくの栄養素が逃げてしまうので、あえて下ゆではせず、炊飯器を使ってつくるのがポイントだ。

「一般的なゆであずきは、洗ったあずきをたっぷりの水で煮て、一度煮汁を捨ててから、砂糖を入れたり、さつまいもやかぼちゃと一緒に煮ます。ところが、これでは煮汁にあずきの水溶性の栄養素が溶け出し、ムダになってしまう。苦みに敏感な人は『あく抜き不要』の乾燥あずきを選ぶといいでしょう」

作り方は簡単。乾燥あずきと水を1:9の割合で炊飯器に入れて、おかゆモードで炊くだけだ。

「味をつけずにつくることで、アレンジの幅が広がります。冷蔵で3~4日、冷凍なら約1~2か月保存できます。ハンバーグやカレー、オムライス、サラダに入れたり、かぼちゃやじゃがいも、にんじんなどと一緒につぶしてコロッケにするほか、肉豆腐などの煮物に加えたり、さつまいもと小松菜の白和えに混ぜてもおいしいですよ」(石原さん)

もちろん、おなじみの赤飯やあずきがゆにしてもいい。実は、日本人に古くからなじんでいる「あずきと米」という組み合わせは、栄養バランス的にも理にかなっているという。

「あずきに含まれる『リジン』というアミノ酸は体内で合成できず、食事で摂る必要がある必須アミノ酸。不足すると肝機能が衰えたり、血中コレステロールや飽和脂肪酸が増加したり、貧血や集中力の低下などの不調が現れます。米はエネルギーは豊富ですがリジンは少ないため、あずきと一緒に食べることで、これを補うことができるのです」(望月さん)

栄養素が溶け出したゆであずきの煮汁も活用

炊飯器でつくったゆであずきの煮汁には抗酸化作用の高い水溶性の栄養素がたっぷり溶け出しているため、「あずき茶」として飲むことをおすすめする。

「冷やしても、温めてもOK。もちろんノンカフェインなので、妊娠中のかたでも安心して飲めます」(石原さん・以下同)

渋抜きをしていないことによる苦みが気になるようならアレンジを。

「鍋であずき茶を温め、そこに紅茶のティーバッグとしょうがのすりおろしを入れると、飲みやすい『あずきしょうが紅茶』に。また、バナナと一緒にミキサーにかけてスムージーにすると、甘くて飲みやすい上に腸活効果もアップします」

あずき茶
ゆで汁はあずき茶として飲んだり、料理に使ったりして、余すことなく栄養を摂取(写真/PIXTA)
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さらに石原さんがすすめるのは、炊飯器でつくったゆであずきにもうひと手間加えてグレードアップさせた「発酵あずき」だ。

できあがったゆであずきが冷めてきたら米麹を加えて釜に布巾をかけ、そのまま保温しておくだけ。

「麹の力で発酵させることで栄養素の吸収がよくなり、特に腸内環境の改善や免疫力向上に期待できる。かぜ予防はもちろん、あずきの持つ抗がん作用、抗アレルギー作用をパワーアップさせることができます」

発酵によって甘酒のような甘みが出るので、「砂糖を入れないゆであずきでは物足りない」という人にもおすすめ。自然な甘みを生かした「発酵つぶあん」としてスイーツに使うのはもちろん、荒くつぶしてバターと混ぜて「発酵小倉トースト」としてパンにぬってもおいしい。

「ほんのりとした甘みがあるので、みそやみりん、しょうゆ、ごまと合わせてごまみそだれにするのもいいでしょう。蒸した野菜や鶏肉にかけてもいいですね。

特におすすめは、ねぎやにんにくと合わせて刻んで中華風ソースにしたり、炒めた玉ねぎ、牛乳を合わせて煮込んだ後にミキサーにかけてポタージュにすること。ねぎやにんにくに豊富な『アリシン』という栄養素が、あずきのビタミンB群の吸収力を高めてくれます」

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