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脳裏に焼き付く、真摯に筆を持つ母の姿
百恵さんの「筆まめぶり」は、実の母譲り。百恵さんの母も筆まめで、かつては百恵さんのファンに対し、母が手紙を書いていた。
「14才でデビューし、多忙すぎる毎日を過ごしていた百恵さんを見かねて、ファンレターの返事をお母さんが代わりに書いていた時期があるそうです。
経済的に余裕がない時期も、デビューしてからのめまぐるしい日々も、母と2人で支え合って過ごしてきた百恵さん。そんなときに、お母さんが真摯に筆を持つ姿が、百恵さんの脳裏にしっかりと焼き付いているんだと思います」(前出・芸能関係者)
百恵さんは芸能界引退直前の著書『蒼い時』(集英社刊)で、母にこんな“手紙”を送っている。
《先日、アムステルダム美術館で、『レンブラントの母』という絵に目がとまりました。一本一本細かく描きこまれた(右手の)皺が、この女の人の人生そのものを語っているかのようで、あなたの手と同じだと思いました。そんな手を持ったあなたのようなひとに、私はなりたいと思います》
その手で数々の言葉を紡いできたように、百恵さんも、手紙を通して多くの人を励ましている。手紙を綴るその手には、きっとあの日の母のように、美しい皺が刻まれているのだろう。