健康・医療

ビタミンに関する間違った常識 「風邪予防になる」「レンチンで破壊される」…正し知って効率よく摂取する方法を専門家が解説

令和の新常識「ビタミン」の上手な摂り方ガイド

ビタミンにまつわる誤解を専門家が一刀両断。ビタミンに関する間違った情報がこれだけ巷に広がっていた。正しく知れば、もっと効率よく摂取できるはず。

【間違い】サラダを1日350g摂れば1日のビタミンが賄える

野菜に含まれないビタミンもあるので肉や魚もバランスよく!

「造血作用のあるビタミンB12は野菜に含まれていません。1日に必要なビタミンを摂るなら、肉や魚などバランスよく食べることが大切」(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部・赤石定典さん)

【間違い】ダイエット中は脂質を控えてもサラダなどでビタミンを摂ればいい

脂質が足りないと栄養を摂りこぼす。

サラダのイメージ画像
サラダで充分?(写真/Getty Images)
写真7枚

「ブロッコリーなどに含まれる脂溶性ビタミンは、油と摂ると効率よく吸収されるので脂質も適度に摂って」(赤石さん)

【間違い】水溶性ビタミンは水に溶けるのでゆでると栄養が失われる

溶け出た栄養素は汁ごと食べれば問題なし。

「確かに、ゆでるとゆで汁に流れ出ます。ただし、栄養素が溶けて消えるわけではないので、スープやみそ汁などにして、汁ごと飲めば無駄なく摂取できます」(赤石さん)

【間違い】レンチン調理は食材のビタミンを壊す

電磁波がビタミンを壊すことはない。ゆでるより栄養を保てる。

「ゆでるよりも電子レンジで加熱したり、蒸したりする方が、水を使わないので水溶性ビタミンの損失を防げます。下ごしらえに利用すれば、時短や省エネにもつながります」(赤石さん)

【間違い】野菜を冷凍すると鮮度が落ちてビタミンも失われる

冷凍することで食材の鮮度&栄養価をWでキープできる。

「野菜は新鮮なうちに冷凍することで鮮度を保て、野菜本来が持つ栄養価も維持できます。そのうえ、冷凍すると細胞が壊れるので火の通りが早くなり、調理も時短に」(赤石さん)

【間違い】ビタミンはサプリメントで積極的に摂る

摂取過多は健康被害を招く恐れあり!

「たとえばビタミンAは脂溶性ビタミンのため、体に蓄積されやすい。サプリメントで長期間摂取したことによる健康被害も報告されています。ビタミンAは通常の食事で充分に賄えます」(小林さん)

【間違い】にんじんは生で食べた方がビタミンAをたくさん摂れる

生で食べるより油で炒めた方が吸収率アップ。

「にんじんに含まれるβ-カロテンはビタミンAに変換されて吸収されます。脂溶性なので油で炒めた方が◎」(赤石さん)

【間違い】がん予防には強い抗酸化力を持つビタミンEを

がん予防の観点でいま最も注目されているのはビタミンD。

「ビタミンEは抗酸化力が高いですが、がん予防効果を裏づける明確な結論は出ていません。一方ビタミンDは、大腸がんの発症リスクを低減する可能性が示唆されています」(小林さん)

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