2025年を迎え、ライター歴46年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。「身の引き締まる思い」で、新しい年を迎えたという、実は昨年末、急な激痛に襲われ飛び起きたという。何があったのか? オバ記者が振り返る。
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背中から左側の腰にかけて天地がひっくり返るほどの痛み
年が明けて世間はおめでたいということになっているけど、私はかなり微妙、てか、何がめでたい、てか、身の引き締まる思いよ。ほら、長い休みに大風邪をひく人っているじゃない? 思い起こせば私ら雑誌記者は30代から「正月? 風邪ひいて昨日まで寝てた」という人が二人にひとりはいたんだよね。そりゃそうよ。年末まで徹夜、徹夜で原稿書いたり取材したり、合い間に忘年会で無茶酒を飲んだりしたら、タダで済むわけないって。私も明日から休みとなったとたん、ブルッと寒気がして翌朝、体温計を口に咥えたら38度、なんてことを何度も経験している。
だけど不摂生ができるのも若さの証明でね。67歳の私は深酒はもちろん、タバコもギャンブルからも足を洗って、仕事控えめ、睡眠たっぷりの健康的な暮らしをしていたはずなのによ。暮れも押し迫ったある夜、背中から左側の腰にかけて天地がひっくり返るほどの痛みに飛び起きたの。わが身に何が起きたのかわからないまま、ベッドの上で「うううう、うううう」とうずくまったり起き上がったりしていたら、脂汗に吐き気までしてきた。
もうダメだ。救急車を呼ばないと、と携帯を握り締めているうちに少しずつ眠くなってきて、気がついたら朝。痛みは嘘のように消えていたんだよね。
ブルドッグ顔、血尿…気になることばかり
思えば体の異変は前からあったんだよね。一つは顔のむくみ。いつからかしら。自撮りをすると、ギャッと目を背けたくなるくらい“ブルドック顔”なんだよね。そりゃあ、体重は“高値安定”だけど、ここまで顔に出るってことは、うーん。67歳という年齢のせい?
とはいえ、最近では1日5000歩平均で歩いているから、そのうちシュッとした顔になるんじゃね? そうお気楽に構えていたら1週間前から血尿。トイレで小用をしてふと便座の中を見たら薄めの紅茶色しているじゃないの! でもその時はすぐに病院に行かなかったの。翌々日が大学病院で半年ごとの定期検診だったから、その時に聞けばいいかなと。
2年前に子宮と卵巣の全摘手術をしてその結果は境界悪性腫瘍。良性とも悪性ともつかない腫瘍だったんだけど、日に何度か血尿を見ると「もしや今度はいよいよ膀胱がん?」とそりゃあ、不安になったわよ。
「腫瘍マーカーがちょっと上がっている」
「う〜ん、そうですね」
定期検診の日、30代始めの若い女医は採血した私の血液検査のデータを見て唸っている。「どうかしたんですか?」と私。「腫瘍マーカーがちょっと上がっているんですよね。前々回は4.8で前回は4.9だったんですけど、今回は5.1なんですよ」と女医。この0.2の上昇をどう捉えたらいいのか聞くと、「う〜ん、なんとも言えないですねぇ」だって。腫瘍マーカーが上がらないにはこしたことはないけれど、だからといって癌かどうかの決定的なものではないんだって。
2年前にお腹が膨らんで大学病院で手術した私がよーくわかったことが2つあるの。それはどんな検査をしてもパキッとわかることはめったになくて、たいがいは「様子をみましょう」に落ち着くということ。逆に言えばパキッとわかったときは、かなり厄介なことになっているんだよね。
それからもうひとつ、自分の身に起きていることは医師から数字を聞いてもわからないけれど、医師の顔色と声色に検査結果の良し悪しが出ていて、これはかなり信じられると私は思っているの。腫瘍マーカーの0.2の上昇は、念のために3か月後に検診することになったけど、今のところ、クヨクヨ悩むほどではないと、女医の声と顔に書いてある。で、「あと、何か気になることはありますか?」と聞くから、「数日前から薄い紅茶のような尿が出るんですけど」と言うと、「ああ、血尿ですね。水分を多めにとってそれでも尿の色が変わらないならご近所の泌尿器科にかかってみたらどうですか?」だって。なるほど、水をがぶ飲みしたら尿の褐色が薄くなってきた。が、その3日後に、冒頭の激痛に襲われたわけ。
かかりつけ医の診断は…
こんな時に頼りになるのは、ご近所のT医院の若先生だ。数年前に不正脈が出て、そのうち心房細動の発作も起こして、そのたびに駆け込んで薬を処方してもらっている。それで今回もかくかく、しかじかでと、ここ数日起きたことを説明すると、最初は緊張で強張っていたT先生の顔がしだいに緩んできて開口一番、「痛かったでしょう?」と言うんだわ。そして「症状を聞く限り尿管結石ですね。とにかく水をたくさん飲んでください。それでも痛みが出たら今度こそ救急車を呼んでください」と。
その診断のおかげ? 直後から尿の色はシャンパンゴールドに変わって、無事、年末恒例に弟夫婦といっしょに実家の墓参り。そして翌日は日本三大神宮のひとつ、鹿島神宮に参拝したの。ちなみに神社より格上が神宮で、日本の三大神宮は伊勢神宮と香取神宮と鹿島神宮。香取と鹿島は茨城県にある。そしてここ、鹿島神宮ができたのは紀元前660年なんですって。
しかし、ここの鳥居をくぐって何も感じない人がいるんだろうか。私も気がつくと大きな何ものかにひれ伏して「健康こそ宝です。自分の体を大事にしますから見守ってください」と頭を下げていたわよ。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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