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【幸福のピークは82才だった】80代の今が幸せだと語る女性たちの実感「年をとることは怖くない、大切なのは “もう○才”ではなく“まだ○才”と考えること」

40代、50代を上手に乗り越えるには「立ち止まり」が必要

函館稜北病院総合診療科の医師である舛森悠さんは女性の場合、幸福度が“谷”になる40代や50代を上手に乗り越えるには、「立ち止まり」が必要だと語る。

「女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期に、上手に自分の考えを切り替えられた女性は健やかに老い、そこで体調を崩した人は不調のまま年齢を重ねていく印象があります。

だからこそ、その時期は焦らずに一度立ち止まって、自分の人生や健康を見つめ直してほしい。幸福度が底を打つ40代から50代は、この先の自分がどうなりたいか、何をしたいか、何をしたくないかをゆっくり考え直すよい機会です」

幸せに年をとっていくためにとても大切なのは、老いを受け入れることだ。

「いまはアンチエイジングが定着していますが、人は誰も死ぬことを避けられません。求められるのは加齢に伴う身体的機能の低下を受け入れて、残りの人生を大切にすることです。いまの日本は認知症になったら人生が終わりのような雰囲気ですが、たとえ認知機能が低下して杖で歩くようになっても、その人らしく暮らすことができれば問題はありません。若さや完全な健康ばかりを追い求めるのではなく、老いていろいろな機能が衰えても“大丈夫”と受け入れて生きることが大事。それができれば、幸せな老後を送れるでしょう」(舛森さん)

吉村さんは「結局のところ、人生を楽しむことが大切です」と断言する。

「好きなことをやり、好きなものを食べ、無理をしないことがすべてだと思います。体と心はつながっているとよくいいますが、確かに楽しそうな人は幸せで長生きする一方、孤独で抑うつ的な人は体が弱い印象です。年齢を重ねると病気になるのは当たり前だから、そこから目を逸らさず、うまくつきあいながら生活を楽しめば、いくつになっても幸福度のピークを続けることができるはずです」

人生は82才になるまでずっと幸福度が上がり続けて、その後もうまくやればピークを維持できる。そうポジティブに信じて、新しい年を歩み始めよう。  

(前編から読む)

人生の幸福度は80代でピークを迎える
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うつ病や精神及び行動の障害は40代がピーク
写真7枚

※女性セブン2025年1月16・23日号

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