「朝食にスープ」は理に適っている
こうしたメソッドをもとに、佐藤さんがこの時期におすすめするのはキャベツとブロッコリーを使った「緑の和風ミネストローネ」や、鶏肉ときのこたっぷりの「ことことスープ」。
「10の食材はもちろんですが、旬の野菜は栄養価が高いので積極的に使ってください。キャベツもブロッコリーも抗がん食材でありながら、いまが旬なのでまさに最強。冬なら根菜たっぷりのスープもいいですね」
佐藤さんはこのほかにも、「豆腐とキャベツの塩麹スープ」や「鮭ときのこのみそ汁」「さばとキャベツの豆板醤スープ」「ガーリックトマトスープ」などを考案。トマト缶やさば缶など缶詰も使えば、気軽にさっと作ることができる。
「朝起きた後は体温が下がっているので、体を温め、代謝を活発にする意味でもスープは朝に飲むことを推奨します。もちろん、昼でも夜でもいいですよ。アメリカで7000人を対象に行われた研究では、朝食を毎日食べる人に比べて、朝食を抜いている人はがんによる死亡リスクが52%上昇、全疾患による死亡リスクは69%も上昇したことが明らかになりました。日本でも同様の研究結果があります。朝食にスープを習慣にするといいでしょう。
スープだけじゃなく、ご飯や主菜と一緒に献立を考えると思いますが、食べる際は、“スープファースト”がいい。
食物繊維を先にたくさん摂ることで、ご飯などの炭水化物を食べても血糖値の上昇が緩やかになります。特に糖尿病の人などは、スープファーストはマストです」
2人に1人ががんになる時代、あらゆる病気から体を守り、がんリスクを下げることは健康で長生きするための絶対条件。今日から、抗がん食材スープ生活を始めよう。
おすすめレシピ【1】「緑の和風ミネストローネ」
《作り方》(2人分)
【1】ブロッコリー1/2株は小さめの小房に分け、茎の部分も厚めに皮をむいて1㎝角に切る。キャベツの葉1枚はひとくち大に切る。
【2】鍋にオリーブオイル大さじ1、【1】、塩小さじ1/4を入れて中火で全体がしんなりするまで炒める。昆布だし400mlと白だし小さじ2を加えて煮立ったら火を弱めて、5分ほど煮る。
【3】器に盛り、粉チーズ、黒こしょう各少々をふる。
おすすめレシピ【2】「鶏肉ときのこのことことスープ」
《作り方》(2人分)
【1】しいたけ2個、しめじ50gは石突きを落とす、しめじはほぐす。
【2】鍋に水500ml、鶏手羽元4本、あさり水煮缶1缶(汁も)、にんにく2片、薄切りにしたしょうが2枚と【1】を入れて中火にかける。煮立ったらアクをすくい、弱火で30~40分煮る。塩少々で味をととのえる。
おすすめレシピ【3】「野菜たっぷりスープカレー」
《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1/2個は薄切りに、にんじん1/4本、なす1本、ピーマン1個はそれぞれ乱切りにする。鶏もも肉120gはひとくち大に切る。
【2】深めのフライパンにオリーブオイル小さじ1を熱し、なすを入れて焼き色が付くまで中火で焼く。ピーマンを加えてサッと炒め、取り出す。
【3】同じフライパンにオリーブオイル小さじ2を足し、みじん切りにしたにんにく½片分、玉ねぎ、カレー粉大さじ1を入れて、中火でなじむまで炒める。鶏もも肉、にんじん、トマトケチャップ大さじ2、オイスターソース小さじ2、水400mlを加えて10~15分煮る。【2】を戻し入れ、再度煮立たせたら火を止め、器に盛りつける。
※女性セブン2025年1月30日号