健康・医療

【花粉シーズン突入へ】大人だけでなく子どもも悩む「花粉症」 医師が解説する「舌下免疫療法」のススメ 治療法は「1日1回錠剤を舌の下で溶かすだけ」

治療法は、1日1回錠剤を舌の下で溶かすだけ

舌下免疫療法は溶けるタイプの錠剤を使います。イメージとしては小さなラムネ状のものを服用します。味もほとんどしないので、子どもでも使いやすいのが特徴です。

まずは、錠剤を舌の下に入れて1分間待ちます。そして1分経ったら唾液ごとごっくんと飲みます。

舌下免疫療法は1日1回錠剤を舌の下で溶かすだけ(写真/イメージマート)
写真2枚

その後は5分間、飲食、歯磨き、うがいをするのを避けます。これは薬の効果が薄れないようにするためです。

服用する時間帯に指定はありませんが、朝、起きたときの服用を私はオススメしています。特に、起床後トイレに入る前に服用することを推奨しています。

というのも、トイレに入る前に飲んでおけば、トイレを終えて手を洗って出るまでに、だいたい3~4分ぐらいは経つからです。そこから体重を測ったり、身支度をすればあっという間に5分以上が経ちます。

飲み忘れを防ぐためにも、朝のルーティンに薬の服用を組み込んでおくといいでしょう。さらに、薬をトイレのドアに貼っておくか、朝起きてすぐに目に入るところに置いておくと飲み忘れを防げます。

副作用は?

口の中がピリッとする程度の副作用はあります。

舌下免疫療法は副作用が比較的少ない治療法として知られています。とはいえ、治療を開始する際に、アレルギー反応が出過ぎないかをチェックするために、初回のみシダキュアという錠剤を医療機関で服用します。それで問題なければ自宅での服用を開始します。しかし、まれにのどの刺激感や口の中の腫れ、耳のかゆみなどといった副作用があらわれる場合があります。

舌下免疫療法で使う薬には、花粉やダニと同じアレルゲンが使われており、口に入れると口内やのどのあたりがちょっとピリッとするかもしれません。それはアレルゲンに体が反応しているからであって、しばらくすると痛みはとれます。

もしも耐えられないほど痛い、または口の中やのどのあたりがかゆい場合は、すぐに水を飲んで薬に入っている抗原を薄め、医療機関を受診しましょう。

※村川哲也著『子どもの一生を決める花粉症対策』より、一部抜粋・再構成

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