
3月5日に発売した『窪塚愛流1st写真集Lila』を何倍も楽しむための独占WEBインタビュー第2回。今回は、窪塚さんの育った場所であり、大好きな場所でもある大阪での撮影裏話をお楽しみください。
中学時代の僕は鬱陶しいやつだった
――この写真集は、窪塚さんのルーツを辿る旅でもあったのかなと思います。生まれた横須賀、育った大阪、そして現在過ごしている東京の3ヶ所で撮影を行い、その中でもメインと言えるのはやはり大阪での撮影かと思います。実際に通われた高校でも撮影しましたが、高校時代の思い出はありますか?
窪塚:高校は、大事なことを学んだ場所です。中学時代の僕は、本当にふざけまくっていて、めちゃくちゃ鬱陶しいヤツだったと思います。友達のことをおちょくったりするのが大好きで、常にキャッキャしていました。でも、無事に受験に受かって高校に入学して、そこから変わったと思います。
いわゆるイメージする、”ザ・青春!”というのは中学校で、高校は、いろいろな学びを得て、自分の夢が見つかった……。もちろんどちらも青春なのですが、ただただ遊んでいただけの中学校とは違って、もう一段階大人になって、将来にもつながる青春、という感じが高校時代です。

食堂のおばちゃんのマヨネーズが速過ぎて(笑)
――久々に訪れた高校はどうでしたか?
窪塚:変わらない、です!当時感じていたものをそのまま感じました。良い学校だなって改めて。建物の造りなども、カッコいいよなって。……そうだ!食堂の唐揚げ丼を食べた瞬間に「ただいま!!」って思いました。「これ!この味!」みたいな。あの味はどこで食べても絶対出会えないです。あのマヨネーズのかかり具合はない(笑)。「そんなかけんでいいのに!」っていうぐらい、一つ一つの唐揚げに、めっちゃかかっています。
普通は多分、「ぴゅ〜〜〜」って(丼の表面に)一往復くらいかける感じだと思うのですが、「ぴゅ〜〜〜〜〜〜〜〜」って(笑)。しかも食堂のおばちゃんは、めっちゃ速いんです。マジでマヨネーズのプロ。速過ぎるから、「そんないらん!」って言う時間もなくて、あ、あぁ、またや……みたいな(笑)。
高校生の時のお昼ごはんは、ほとんど食堂で食べていたので、
今回唐揚げ丼を食べた時に、一気に高校時代の風景がよみがえってくる感じでした。懐かしい声すら聞こえてきそうなくらい。

校長先生が“近所のおじちゃん”くらいの距離感
――校長先生にもお会いして、一緒にサッカーもしましたね。
窪塚:まさか校長先生とパスし合えるとは思っていなかったので、シンプルに嬉しかったのですが、ちょっとだけ恥ずかしさもありました(笑)
――高校時代、校長先生との接点ってあまりない場合が多いと思うのですが、かなり仲が良いんだなと思いました。
窪塚:校長先生は、毎朝校門のところに立っておはようございます、と生徒に声をかけていました。しかも、他の先生たちと同じような佇まい、むしろ、とても気さくな雰囲気でいてくださったので、僕たちも話かけやすかったです。
”校長先生”という存在であるのに、いい意味でハードルが低くて、ノリも良くて(笑)。
校長先生から、生徒に話しかけてくれて、そういう雰囲気を作ってくださっていました。
そこで、僕も服装チェックされたりしていました(笑)。
――では高校時代から、関わりを持つ機会が多かったですか?
窪塚:はい。普段から僕の身だしなみを注意してくださっていて…ある日、そろそろちゃんとしないといけないなと感じる言葉をいただいて、
『君はよくも悪くも目立つ存在だから、君が身だしなみを崩してしまうと、後輩たちが真似してしまうかもしれない。だから、後輩にとっても良いお手本になってほしい。身だしなみにも気をつけてほしい』と。その時に、確かに。制服をだらしなく着ている先輩ときちんと着ている先輩だったら、きちんと着た方がカッコいいかもって思いました。
そして……制服ってきちんと着るとカッコいいんです!むしろ、しっかり着ないとカッコ良くない。その時に、制服のカッコよさに気づきました。それなら、身だしなみだけではなく敬語や礼儀などにも、しっかりしていこうという考えになり、みんなが先生にタメ口を使っていても、僕は敬語を貫いていました。それが今に繋がっていると思います。
あの日、校長先生がアドバイスをくださらなかったら、今の僕はここにいないかもしれない。めっちゃだらしないままだったかもしれないです。

行きつけの定食屋のメニュー「愛流スペシャル」とは?
――学校の他にもう一ヶ所、縁の深い飲食店の「ニューライト」でも撮影しました。窪塚さんにとってどういう場所ですか?
窪塚:記憶のない時から通っていた場所で、ニューライトのおばちゃんは、僕が赤ちゃんの時から知っています。僕が生まれる前から僕の母のことも父のことも知っていますし、ごはん屋さんなのですが、僕にとっては”家”感があります。
特に家みたいな内装という訳でもないのですが、「いらっしゃーい」じゃなくて、「おかえりー」くらいな雰囲気で接してくれるので。めっちゃ落ち着いて、家のリビングでゆっくり食べているような気持ちになります。アメ村のど真ん中にあって、海外の方や、ちょっとエッジのきいた方も多くいらっしゃるのですが(笑)、僕にとっては家みたいな場所です。
――そこでは「愛流スペシャル」と呼ばれるメニューがあるとか。
窪塚:はい!僕は本当に唐揚げが好きなので。初めてニューライトの唐揚げを食べた時に、「唐揚げウマっ!」と衝撃を受けて、それからずっと唐揚げばっかり頼んでいたのですが、ちょっと別の日にチャーハンも頼んでみたら…。チャーハンもめっちゃ美味しくて。唐揚げの味を知り、チャーハンの味を知り、この二つを毎回頼むようになって。絶対そのメニュー以外頼まないくらい(笑)。
するといつしかおばちゃんが、『じゃ、チャーハンと唐揚げは愛流スペシャルやな』って言ってくれて、愛流スペシャルができました。お店の壁には、たくさんサインが貼ってあるのですが、「◯◯スペシャル」というような特別メニューは珍しいのだそうです!本当においしいです!!

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思い出の大阪について、生き生きと本当に楽しく話していました。現在の窪塚さんのルーツはここなんだなと思いながら、写真集を楽しんでみてください。次回は、最近始めた趣味であるサーフィンや家族ハロウィン撮影についてのお話です。お楽しみに!!

◆「窪塚愛流 写真集 お渡し会」イベントを開催!
3月15日(土)13:00~ 代官山 蔦屋書店3号館 2階 SHARE LOUNGEにて。
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【プロフィール】
窪塚愛流/くぼづか・あいる2003年、神奈川県横須賀市生まれ。2021年から本格的に俳優活動を開始。2024年には映画『ハピネス』で初主演。最近の出演作に日曜劇場ドラマ『御上先生』、映画『恋を知らない僕たちは』など。初舞台となる『ボクの穴、彼の穴。W』にも出演。その瑞々しい存在感と演技を着実に成長させている。
<クレジット>
撮影/田中智久