《元気なシニアが実感した「やめてよかったこと」》節約、資産運用、テレビ、人間関係、下の世代への援助など…「もういい年だからと制約すること」をやめれば、人生が変わる
好きなことだけは最後まで捨てない
時にはいつもの家事もやめてみてもいいだろう。福井県のKさん(72才)が話す。
「数年前に腰を悪くして以来、毎日の掃除機が苦痛だったのですが、心配した50代の娘がロボット掃除機をプレゼントしてくれました。はじめはロボットなんて……と半信半疑でしたが、痛みのせいで掃除がしにくかったテーブルの下まできれいにしてくれて感激。空いた時間で趣味の刺繍もはかどっているうえ、足元を一生懸命動き回るロボットがなんだかかわいく思えて、気持ちも和んでいます」
太田さんも、時には家事を手放すべきだと話す。
「いまは手頃な家事代行サービスもあります。食器洗い乾燥機や乾燥機つきの洗濯機などは30~40代には使う人が多いですが、シニアこそ投資すべきです」
宮城県のLさん(78才)は、「外見年齢にこだわること」をやめた。
「髪は傷むし毛量は減るし面倒だしで、白髪染めをやめました。60才も過ぎて髪に手をかけてもしかたないと思いつつもどこかさみしくて、その分ヘアケアにお金をかけるようになったら、周りからほめられるグレイヘアに。モデルの仕事も始めて、人生が楽しくなりました」
「もういい年だから」と、好きなことややりたいことに制約をかけるのをやめれば、何才になっても人生は変わるのだ。ワイドショーなどで長年リポーターとして活躍してきた東海林のり子さん(90才)はこう語る。
「月に1回、推しのビジュアル系バンドのライブに通っています。世間体を気にして楽しみを手放すより、周囲に笑われる方がずっとまし。あと何年生きるかわからないからこそ、人生の潤いが欠かせないんです」
自分にしっくりこないものは、思い切って手放してみよう。これまで頑張ってきた分、わがままなシニアになる──それがいちばんの健康の秘訣。さあ、あなたは何をやめますか?

※女性セブン2025年3月27日・4月3日号