体長15センチのクマネズミ
今年1月31日、米リッチモンド大学のチーム(生物学)は、ネズミに関して長期的な統計がある米国内の13都市、そしてトロント(カナダ)、東京、アムステルダム(オランダ)の合計16都市について、平均12年にわたる「ネズミの目撃や捕獲」などの集計結果をまとめた。その報告によれば、16都市のうち11都市で、ネズミの数が大幅に増えていることがわかったのだ。
増えた最大の原因は平均気温の上昇だという。本来、小型哺乳類のネズミは寒さに弱く、冬は活動が制限される。しかし、世界的に冬場の気温が上がったことで、外で餌を漁る時間が増え、同時に繁殖期間も長くなり、増加につながったとみられる。
「東京では、東京都ペストコントロール協会が“ネズミ被害の相談件数が10年前より約2倍に増えた”と発表しています。特に繁華街で多いので、飲食店は多くの被害にあっているようです。屋内は体長15センチ程度のクマネズミが多く、屋外は約20センチと大きなドブネズミが目立ちます。飲食店の厨房にまで入り込むのは、小さなクマネズミで、警戒心が強いため駆除しづらいといわれます。
雑居ビルに入る飲食店の場合、自分の店で対策を立てても、他店がちゃんとしていなければ、完璧なリスクヘッジとはなりません。ネズミは電気配線などをかじって火災の原因になったり、食中毒の原因となる病原菌を運ぶことも考えられる。近い将来、ネズミの増加が社会問題化している可能性すらあります」(前出・食品ジャーナリスト)
当初、“ネズミ入り味噌汁”の画像は生成AIで作ったとの指摘もあったが、まさかの本物だったように、社会全体でネズミの対策に取り組むという事態も、全くの絵空事ではないのかもしれない。