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《クマネズミだったか》すき家が謝罪「味噌汁にネズミの死骸混入」騒動は「鳥取だけの問題ではない」世界中でネズミが急増中!

まさかの事態に巻き込まれた
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鳥取駅から徒歩15分ほどという好立地にあり、広めの駐車場もある。24時間営業で早朝から深夜まで、多くの鳥取県民の胃袋を満たしてきた“庶民の味方”。そんな牛丼店が、まさかの事態に巻き込まれている。

大手牛丼チェーン「すき家」は3月22日、同社公式サイトを更新し、鳥取南吉方店で提供したみそ汁に、“ネズミの死骸が混入”という疑惑を報じた『NEWSポストセブン』の記事を受け、異物の混入を認めたうえで公式に謝罪し、今後の対策について発表した。

《1月21日午前8時頃、当該店舗にてお客様より従業員へ、喫食前の「みそ汁」に異物が混入しているとのご指摘をいただきました。その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認しています。

混入原因について調査を行った結果、「みそ汁」の具材をお椀に入れて複数個準備をする段階において、そのうちの1つのお椀の中に異物が混入していたと考えられています。当該従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠ったため、異物に気付かずに提供が行われました。

なお、同店において同様の異物混入の恐れがある商品は当該お客様以外の方に対しては提供されておりません》

当該店舗は3月24日から一時閉店

そもそも、騒動は“ネズミの死骸入り味噌汁”の画像がGoogleマップ上のクチコミと共にアップされたことがきっかけとなった。

「衝撃的すぎる画像でした。そのユーザーは、お椀の中にネズミが丸ごと入っている画像を載せて、《一応保健所と本社には連絡しました。これ以降食欲が湧きません》と書いていました。1月下旬のことで、そこから店舗は一時閉鎖され、保健所の現地確認を受けたうえで営業を再開していましたが、3月24日から4月21日まで改装工事のため一時閉店することになったそうです」(食品ジャーナリスト)

すき家の説明からは、異物(ネズミ)は提供前の味噌汁のお椀に入り込み、死骸になって客の前に出されたことがうかがえる。にわかに信じ難い状況ではあるが、この店舗だけの“レアすぎるケース”と片付けられないかもしれない。目下、世界中の都市でネズミの急増が叫ばれているからだ。

体長15センチのクマネズミ

今年1月31日、米リッチモンド大学のチーム(生物学)は、ネズミに関して長期的な統計がある米国内の13都市、そしてトロント(カナダ)、東京、アムステルダム(オランダ)の合計16都市について、平均12年にわたる「ネズミの目撃や捕獲」などの集計結果をまとめた。その報告によれば、16都市のうち11都市で、ネズミの数が大幅に増えていることがわかったのだ。

増えた最大の原因は平均気温の上昇だという。本来、小型哺乳類のネズミは寒さに弱く、冬は活動が制限される。しかし、世界的に冬場の気温が上がったことで、外で餌を漁る時間が増え、同時に繁殖期間も長くなり、増加につながったとみられる。

「東京では、東京都ペストコントロール協会が“ネズミ被害の相談件数が10年前より約2倍に増えた”と発表しています。特に繁華街で多いので、飲食店は多くの被害にあっているようです。屋内は体長15センチ程度のクマネズミが多く、屋外は約20センチと大きなドブネズミが目立ちます。飲食店の厨房にまで入り込むのは、小さなクマネズミで、警戒心が強いため駆除しづらいといわれます。

雑居ビルに入る飲食店の場合、自分の店で対策を立てても、他店がちゃんとしていなければ、完璧なリスクヘッジとはなりません。ネズミは電気配線などをかじって火災の原因になったり、食中毒の原因となる病原菌を運ぶことも考えられる。近い将来、ネズミの増加が社会問題化している可能性すらあります」(前出・食品ジャーナリスト)

当初、“ネズミ入り味噌汁”の画像は生成AIで作ったとの指摘もあったが、まさかの本物だったように、社会全体でネズミの対策に取り組むという事態も、全くの絵空事ではないのかもしれない。

投稿された画像(編集部で加工)
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注文したのは「たまかけ定食」だったという(編集部で加工)
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当該店舗は約1か月間閉店することに(すき家公式サイトより)
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