
ファッション業界で活躍する前田典子さん(59歳)、岩井ヨシエさん(62歳)、本間利絵さん(48歳)に、ファッションに迷ってしまいがちなアラカンへのアドバイスをもらった。5つのポイントを押さえて、オトナのおしゃれを楽しもう。エイジレスに輝く50~60代女性に向けた、すぐに役立ち毎日を前向きに過ごすヒントが詰まった実用ムックシリーズ『reShine春号』から3人の鼎談を一部抜粋して紹介する。
SENSE1:アラカンこそ「おしゃれ迷子」を楽しんでいい
「おしゃれは楽しむもの」と言い切る3人の“楽しむセンス”を深掘り。まずはおしゃれ迷子についてです。
前田典子さん(以下マエノリ):迷子のままでいいんじゃない?楽しんでるってことでしょ?
岩井ヨシエさん(以下岩井):逆に「私はこれ!」って固めてしまうほうが危険かな。どこかに今っぽさを薫らせるって大人の女性にこそ必要だと思うから。
マエノリ:“迷子”とは道を見失っているのではなく、トライ&エラーを繰り返しているのだから“進化”です!(笑)
本間利絵さん(以下本間):トライ&エラーは大事。手持ちのものも組み合わせ次第で新鮮に見えることもあるし。
マエノリ:足元を変えるだけでも雰囲気が変わることもあるよね。
岩井:私はトラッドベースのフレンチテイストが好きだけれど、もっとドラマティックになってもいいかも?と最近思うようになって。自分にしっくりくるものがシーズンごとに変わっていくことも、ある意味進化だと前向きに捉えています。

SENSE2:「抜け感は、足し引き」と考えれば上手くいく!
こなれたスタイルに欠かせない“抜け感”。リーダーズ達はどう作り出す?
岩井:抜け感って漠然としていて難しいと思う人も多いよね。
マエノリ:簡単にいうと、カジュアルとか?無造作なかっこよさ、みたいなイメージ。
岩井:顔で言うと、フルメイクしないって言うとわかりやすいのかも。
本間:強弱なのかな。全部が強いのではなく弱くするところもある感じ。例えば簡単に抜け感を出すとしたら、どこがいいと思います?
岩井:私は肌をどこか見せないと、抜け感がないと思う。
本間:確かに。靴でもバックストラップにするだけで違いますよね。
マエノリ:おすすめなのがシアーアイテム。肌は出ていないのに肌見せ感があるし、大人がると上品で女らしいしモード感もある。ニットやTシャツに重ねても、着こなしに抜け感が出るよね。
全員:シアーアイテム、いい!
本間:気に入ったものがあったら色違いで揃えておくといい。黒、白、紺とかベーシックな色で。着こなしが広がります。
SENSE3:ここさえあれば!の「大人映えブランド」を味方につける
年齢を重ねることで生まれる“好き”と“似合う”のギャップ。リーダー達はどうする?
岩井:年齢に真剣に向き合うことでおしゃれ力をアップデートできた気がする。例えば清潔感を補てんするため、ホワイトコーデが得意になったとか。
マエノリ:色や柄とか、歳を重ねてからしっくりくるアイテムも多いよね。
本間:私は好きなものと似合うもののギャップは、小物で調整します。ところで大人におすすめのブランドってあります?
マエノリ:今春なら『ヴェルメイユ パー イエナ』の春コートが秀逸だった。同じコートを身長の違う3人で着てみたんだけど、それぞれに似合ってて。あとは『リュンヌ』が好き。今日はいているパンツもはいた瞬間「これは、私のためのパンツ」と思ったくらい(笑)。
岩井:ベイクルーズ系は大人女性に向けたブランドも多いよね。トレンドを気軽にトライできるから、私は『バンヤードストーム』もよくチェックしています。

SENSE4:「小物使いの自由人」になる。ちょっと派手めがちょうどいい
ジュエリーや小物使いは、大胆に楽しむべきという3人。
本間:大人になってからのほうが楽しめるのが、ジュエリーやアクセサリーの小物使い。
マエノリ:同感。 大人こそきらめきが必要だし、いまはつけすぎても嫌味にならない年齢。ブランドのロゴアイテムも昔だったら着なかったけど、いまなら似合うかも、って思う。
岩井:華やかを嫌味なく楽しむことができるようになったよね。
本間:私はアクセサリーで演出できる抜け感というのもあると思っているんです。カジュアルなスタイルにおもちゃみたいなアクセをじゃらづけしたり。きらりと光るアクセで品よく視線を誘導したり。
岩井:視線の誘導でいうと、自分の目に入るのもいいよね。気分が上がる。あと服の組み合わせは難しいけれど、ジュエリーの組み合わせは直感で楽しめるから難しく考えなくてOK。
マエノリ:きらめきとか気分とか。いろんな意味でジュエリーが助けてくれる感じだよね。
本間:ジュエリーのきらめきは永遠ですから。服を買うのに迷ったら、ジュエリーを買っておくといろいろと長く楽しめると思います。

SENSE5:大人ならではの「TPO」。テーマがあるとコーデもしやすい
TPOはおしゃれの効率を上げる重要なファクター。
岩井:仕事柄、TPOのない格好はプロ失格。ある程度縛りがあるほうが、工夫が生まれるし、おしゃれスキルも上がる。
本間:普段のコーディネートでも、テーマがあるほうが私はやりやすいです。
マエノリ:私は友達と会う時やミーティングの時は、自分でドレスコードを決めるの。そうするとコーディネートしやすくなるし、時間も短縮できる。
本間:楽しそう!皆さんは、TPOのあるコーデで特に気をつけるのはどの部分ですか?
岩井:私は靴。大事な用事がある時とかは靴を持ち歩いて、直前で履き替えたり。
マエノリ:私も!予定によって靴は持ち歩いたりしてる。
岩井:どんなに服は完璧でも靴を間違えると台無し。普段から靴からコーデを考えています。
※商品価格はすべて編集部調べです。

◆前田典子(モデル・タレント)
愛称はマエノリ。数々の女性ファッション誌、テレビ、CMなどに出演。夫はモデル・俳優の日比野玲。@maenorichang
◆岩井ヨシエ(モデル・会社経営者)
モデル。会社経営。インフルエンサー。ファッション業界に幅広い人脈をもつおしゃれプロ。おしゃれとパリをこよなく愛す。@iwaiyoshie_22
◆本間利絵(ピモンテ・ディレクター)
大手アパレルで経験を積んだのち、2023年『ピモンテ』ディレクター就任。ヴィンテージに関しても造詣が深い。@rie.homma
撮影/西崎博哉(MOUSTACHE)、ヘアメイク/森ユキオ(ROI) 構成・文/加治かおる
『reShine春号』では、山口智子さんが表紙を務める。インタビューでは山口さんが60歳からのリ・スタートについて語る。また、リアルに交友のある著名人同士<岸谷香さん×久保純子さん><木佐彩子さん×佐々木明子さん>らが、今だからこそできる日々の楽しみ方や自分アップデート法を本音でトーク。一方、「ソロ活でアラカンはもっと輝く!」をテーマに、子供が巣立った亜希さんのおひとり様レシピ、富岡佳子さんの自分の時間を豊かにするソロ活も紹介。白髪と薄毛完全対策、60歳からがかっこいいパリマダム式ヘアメイクなどの特集も掲載している。
※『reShine』2025年春号